消石灰と生石灰の違いはなに

庭木の種類・知識

消石灰と生石灰は、似ているけれども園芸では混同してはいけないものです。

生石灰と消石灰・・混同してわいけない

生石灰は石灰石を高温で熱したあとに、二酸化炭素を取り除くと出来るものです。酸化カルシウムといって化学式では「CaO」と表記します。

 

消石灰の方は、その生石灰に水を加えて反応させて出来るものです。水酸化カルシウムといって化学式では「Ca(OH)2」と表記します。

 

なぜ混同してはいけないのかというと、化学反応がおきるため、具体的に言えば水を加えると熱が発生するからです。

生石灰は水と反応してすごい高温になる

その温度は数百度までに達するので、もし生石灰を土に混ぜたあと水やりや降雨などで水分が加われば、その温度に樹木は耐えられませんし、下手をすれば火事になりかねません。

 

ちなみに水酸化カルシウムも高温で熱して、水分を蒸発させれば、また元の酸化カルシウムに戻ります。もちろん、園芸で使うときに消石灰を混ぜた土を焼くようなことはないので、水に反応して事故につながる心配はありません。

 

それから小学校などの運動場でライン引きに使われる石灰も、発熱しないので心配はありません。

生石灰と消石灰の違いは

さて、両者の違いは使い方にどのような違いを与えるのかというと、それぞれについてさらに詳しく見ていきましょう。

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生石灰は発熱する性質から、発熱剤としてよく使われます。水の入った袋を紐などを使って破ることで、反応を促し熱を発生させます。例えば弁当や日本酒など食料品を集めるときによく使われる道具です。

 

一方で消石灰は前述のように園芸にてよく用いられます。どのようにして使うのかというと、カルシウムを土に補充することで樹木に必要な栄養を補うこと、酸性を中和すること、堆肥に混ぜることで一緒に入っている藁や葉が分解されやすくすること、殺菌、といったことをしています。

 

ただし、カルシウムの補充といっても、大した量は補充できないので、植物に必要な栄養のためだけであれば専用のカルシウムを用意しておくほうが良いでしょう。

消石灰の一番の目的は土を中和

そうなると一番の目的は土を中和することになります。

 

なぜ、土が酸性になるのかというと、日本の雨は酸性なので、自然と土も酸性に傾いてしまうのです。酸性の土というのは植物の生育にとっては、あまり好ましい環境ではありません。

 

土壌を中和させるためには、土に混ぜてから一定期間はなじませたほうが良いでしょう。扱うときの注意点として目に入ると失明の危険もあります。このことからライン引きに使われる石灰は、近年では安全な炭酸カルシウムに切り替えられています。