かえでともみじは、植物の分類上ムクジロ目カエデ科カエデ属となり、両方に違いはなく同じグループに属します。種類は世界で数百種類あり、一般的には見た目で判断されることが多いですが、かえでの中でも紅葉によって色が変わるものをもみじと呼んでおり、数十種類あります。
かえでの名前はどこからきた
かえでは、葉の形がカエルの手に似ているところから、カエル手がカエデと変化していきました。
園芸の世界では、切れ込みが3つのカナダの国旗に使用されているサトウカエデのように葉の切れ込みが浅いものを指し、盆栽では葉が大きく切れ込みが浅いものとしています。樹高が30mから40mにもなるサトウカエデは、葉が大きく切れ込みが3つですが、かえでには切れ込みが7つ以上のものも多くあります。
英語ではメープルと言い、カナダのメープルの木の樹液からは甘いメープルシロップが作られたり、木材としても利用されます。
もみじの名前はどこからきた
もみじは、本来特定の樹木を指すのではなく、紅葉で葉が色づく様子を表したものです。葉が色づいた様子を、染料が染み出たようで染料を揉みだす作業のもみづに重ね、動詞のもみづが名詞に変化したものです。
園芸の世界では葉の切れ込みの数が多く深く、切れ込み部分が細いもの、イロハモミジやヤマモミジ、オオモミジなど切れ込みが5つなど多いものを指し、盆栽では葉の形が小さくて切れ込みが深く、秋になると真っ赤に紅葉するものとしています。
かえでともみじを区分しているのは日本だけ
英語では、ジャパニーズ・メープルと表現されます。外国のかえでの大きさに比べたら、日本の真っ赤になっている葉は小さくてかわいらしい形ですが区分して表わしているのは日本だけで外国では同じメープルと呼ばれます。
日本の代表的なもみじは、紅葉の名所などでよく見る赤色が美しいイロハモミジや、オレンジや橙色など種類が豊富なヤマモミジ、やや大きく肉厚な葉のオオモミジなどです。
紅葉で赤・黄色になるのはどうして
紅葉で葉が赤くなるのは、葉の中に含まれる緑色のクロロフィルが分解して、赤い色素のアントシアンが生成されるためにおこります。
黄色になるのは、緑色のクロロフィルが分解して黄色の色素のカロチノイドが残るためです。秋の紅葉シーズンになると、山の紅葉を見に行くことをもみじ狩りと言います。本来狩りは山などに入って動物などをしとめる狩猟を指しますが、紅葉の場合は、何かを取りに山や野に入ることを指します。
今でも他にイチゴ狩りやブドウ狩りと呼ばれます。昔、平安貴族は狩猟をしない為、自然を愛でることや紅葉を見に山に出かけることを狩ると表現していました。その名残が残っています。