雪割草の夏越しを成功させて、楽しく育てよう!

球根・宿根・多年草

雪割草は色とりどりの小さな花を咲かせ、春を知らせる花として多くの人に愛されている植物です。

 

野山に咲いている花として知られてきましたが、しっかりと管理をすることにより、毎年きちんと花を咲かせることができる植物であるため、園芸用植物としての人気も高く、年々注目を集めてきています。

 

今回は、雪割草の育て方や夏越しのポイントなどについてご紹介します。

雪割草ってどんな植物?

雪割草はサクラソウ科サクラソウ属の多年草で、高山植物に認定されている山野草です。その名の通り、雪解けと共に花を咲かせることから「雪割草」と呼ばれるようになりました。

 

また、英名は「Liverleaf」といい、これは葉がハート型をしていることから肝臓の葉という意味で名前がつけられたとされています。

 

原産地は、北陸地方や東北地方の日本海側で、雑木林や山地の湿った場所を好み自生します。開花時期は2月下旬から5月上旬とされており、冬の間雪の下でも常緑の状態で、他の花よりも早い時期に色とりどりの花を咲かせることから、人気のある植物の一つとされています。

 

雪割草の種類には、オオスミソウ、スハマソウ、ミスミソウ、ケスハマソウなど多くの種類あり、その数は約600種類とも言われ、それぞれの形の特徴や自生している場所も異なっています。

 

この植物の大きさは草丈が10センチから20センチで、花の色は野生植物としては大変珍しく、赤や白、ピンクや紫の他にも複数の色が混ざったものがあり、一つの茎に対して3個から20個ほどの花をつけます。

雪割草の育て方

雪割草の育て方はそれほど難しいとはされていません。したがって初心者でも注意をすれば、楽しんで雪割草を育てていくことができます。

 

雪割草にとって一番大事なことは、自然に自生している環境に近づけることです。落葉樹の株元にあるような環境を好むので、花の咲いている時期は木漏れ日が差すような風通しの良いところに置いてあげると良いでしょう。

 

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その後梅雨入りの時期から翌年の春までは、直射日光が葉に当たると枯れてしまう可能性が出てくるので、日影で育てることをおすすめします。雪割草は湿地をこのみますが、多湿は良くないとされています。

 

そのため、水はけの良い土に植えて、土の表面が乾いてきたら、充分に水やりをするようにしましょう。雪割草につく病害虫には、アブラムシやナメクジ、さび病や白絹病等があります。これらの病害虫を見つけたら、素早く葉を切って処分することをおすすめします。

 

こまめに病害虫に犯された部分を取り除くことにより、まわりに広がることや葉が枯れてしまうことを避けることができます。使用する肥料は、葉が展開時期はチッ素分の多い液体肥料が適しています。

 

また、葉の展開が終わり花芽の形成期にはリン酸分の多い液体肥料に切り替えると良いとされています。梅雨明け、夏場の時期は肥料を使用せずに、9月下旬あたりから冬までの間は、株の充実を図るためにカリ、リン酸、チッ素が等量の液体肥料を使用します。どの時期も、液体肥料を与える頻度は半月に1回が丁度良いとされています。

雪割草を夏越しさせるためのポイントとは?

雪割草を育てる上で一番難しいのが、夏越しを成功させるかどうかということです。

 

春に花が咲いている頃にある葉は、前の年に出てきた古い葉です。花が咲いて終わった後に、その年の新しい葉が出てくるようになります。

 

この少し変わったサイクルを持つ雪割草は、夏場に葉を枯らしてしまう夏枯れが、雪割草を育てる上で一番の難点となります。

 

夏枯れを避け、夏越しを成功させるために一番重要なのは用土です。一般家庭で雪割草を育てるためには、雪割草が細かい根を沢山つけて伸ばしていけるようにするのが、上手に成長をさせるコツです。

 

そのためには、水はけが良く粒が少し細かい用土を選ぶことが大切になってきます。他に夏枯れの原因として、その時期にあった日当たり場所を選んでいないこと、肥料が少なすぎ、または多すぎること、充分な水を与えなかったことなどがあげられます。

 

これらのことから、雪割草を上手に夏越しさせるためには、その時期にあった日光量、肥料、水やりや用土など様々な条件をきちんと整えていくことが決め手となります。