ユキモチソウの花言葉や育て方、雄株と雌株に関する増やし方について

山野草

花の一部が雪のように白くてお餅のように柔らかいユキモチソウは、限られた地域にしか咲いていない特徴のある花です。

 

見た目も独特なユキモチソウですが、増やし方も他の花とは少し違いがあります。
そんなユキモチソウについて、詳しく紹介していきましょう。

ユキモチソウの上手な育て方のポイント

ユキモチソウの自生地は、近畿の一部や四国というふうに非常に限定されています。

 

日陰の多い山林の樹木の下を好んで咲いているので、育てる場合には屋根のある明るい日陰が最も適した環境になります。

 

光が足りないと、光合成ができなくなって枯れてしまいます。直射日光に当たると葉焼けをおこし、雨に当たると花が傷んでしまうので注意しましょう。

 

庭に植えるより、プランターを適した位置に置いて育てる方が育てやすい花です。

 

育て方は、4月~11月の成長期間の水やりはたっぷりと、直接花に当たらないようにあげてください。11月~3月の休眠期間は、土が乾燥しない程度に水やりをしてください。

 

水が凍ってしまうほど寒い季節は、水やりは控えめにしましょう。土は赤玉土と鹿沼土の混合で、そこに大きな粗砂を入れて水はけを良くします。

 

肥料は成長期に液体肥料を2倍に薄めたものを、2週間に1度の間隔で与えてください。加えて花が終わる頃と、地上部が枯れてくる秋に置き肥をすると効果的です。

 

湿気と日陰を好むユキモチソウは、ナメクジなどのかっこうの餌食になりやすいので、定期的に市販の殺虫剤をまいて駆除しましょう。

ユキモチソウの増やし方

非常にユニークな姿をしているユキモチソウは、希少な山野草として人気があります。

 

自生地が限られているため、山道などで偶然目にすることは少ないかもしれませんが、植物園では定番の花になっています。

 

明るい日陰で西日が当たらないようにして育てなければいけないため、ガーデニングで育てるには少し気を使うかもしれません。ユキモチソウは球根ですが、分球が難しいので種で増やすのが一般的とされていておすすめです。

 

増やし方ですが、ユキモチソウの果実が赤く十分に熟したら、よく洗って種を採取します。

 

一つの果実に数個の種が入っていますので、11月~2月に種まきします。しかし種から増やす場合は、花が咲くまでに3~4年ほどの年月がかかることもあるため、気長に育てる必要があります。

 

ユキモチソウを増やすにあたって、天敵となるのは害虫です。

 

日陰で育てるため、どうしてもナメクジやイモムシなどに狙われやすく、葉を枯らされてしまいます。また休眠中の球根の状態では、冬の間に餌を求めるネズミなどに食べられてしまう危険性もあります。

 

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苦労が多い分増やすことに成功した時の喜びも大きいので、楽しみながら挑戦するといいでしょう。

性転換するユキモチソウ

ユキモチソウは雄雌の株があり、さらに途中で性転換することもあるという珍しい特徴を持っています。

 

ユキモチソウを増やして育てるには、雄株と雌株の両方を植えて受粉させなければいけません。ぱっと見ただけでは雄雌の区別をつけることができませんが、雄株の方は仏炎苞と呼ばれる筒状の部分の下に穴が空いています。

 

仏炎苞は雄しべや雌しべを保護する役割をしていて、昆虫は餅のように見える付属体から香りに誘われ花の中に入ります。

 

そして雄株の花粉をたっぷり持って仏炎苞の穴から出て、雌株に受粉する働きを担っています。

 

雌株には昆虫が脱出する穴がないため、受粉の手伝いをした後昆虫は花の中で生涯を終えます。

 

雄株と雌株の両方を用意していても、ユキモチソウは栄養状態によって性転換します。

 

苗の間はどちらの性も持たず、栄養状態が悪いと雄株となり良いと雌株となるため、気づけばいつの間にか両方雌株になっていたということも大いにありえます。

 

確実に増やすためには、雄株と雌株を複数ずつ用意して、肥料の量などを変えて育てる必要が出てきます。

花言葉は苦難の中での力

ユキモチソウは二本の葉と一つの花を持つ、サトイモ科の多年草です。

 

紫褐色の仏炎苞の中から出ている付属体は雪のように真っ白で、餅のように柔らかいためにユキモチソウと呼ばれています。

 

そんなユキモチソウの花言葉は、苦難の中での力です。

 

雪を苦難と見立てて、その中で力をつけるという意味合いからつけられたのでしょうか。

 

あるいはユキモチソウは上手に育てるのが難しく、さらに性転換するため増やすのも難しいことから由来しているかもしれません。

 

しかし花言葉の通り、ユキモチソウの凛とした立ち姿は、見る人に力強さと勇気を与えます。

 

仏炎苞が鎧のようにしっかりと花を守っているところも、花言葉に通じるものを感じます。苦労してユキモチソウを育てた人には、この花言葉はとても心にしみるのではないでしょうか。

 

特徴あふれるユニークな姿と美しさに、ユキモチソウの愛好家はたくさんいるようです。ユキモチソウは凛とした佇まいがお茶花としても人気がある、見れば見るほどに可愛らしい植物です。