ヤツデといえば合掌する手のように指の数よりも多い数の葉が特徴で、天狗が持っている葉っぱといえば分かるのではないでしょうか。
葉の大きさは20㎝以上もあり、このヤツデの由来は掌状の葉が「八手はっしゅ」と呼ばれていた事から、それが八つ手になったといわれています。
主に関東から西の海岸近くの森林に自生し日当たりの悪い場所でも育ち、毎年晩秋に黄白色の花が個々に集まって球状に纏まって咲きます。そして果実は翌年の春ごろに黒く熟します。
葉はやや厚く丈夫なので庭木などにも植えられ、葉の成分に含まれる成分作用は昔から害虫などの殺虫剤の役割になっていたという事から重宝にされてきました。
ヤツデが別名「天狗の羽団扇」といわれているのは、この大きな葉に魔物を追い払う力が宿っていると考えられており「八」には古来から縁起の良い数であった事から古来の山神としての伝承であった天狗が手にいつも持っていたといわれています。
ヤツデの剪定方法と時期
ヤツデの日常の手入れとしましては、幹自体があまり枝分かれせずに上へと延びていき放っておくと葉の茂る位置が、次第に上へ移り下の幹が丸出しになってしまいますので、高く伸びすぎた枝を切り戻しわき芽の発生を促し、古くなった幹は、株元から間引いて新しい幹を数本仕立てます。
これがヤツデの剪定といわれるもので10月~12月にかけて行われます。
高く伸びすぎてしまった幹の切り戻しは新芽が吹かなくなることがありますので、できるだけまだ若くて勢いのある枝にに対して行います。
また、大きな葉に対しても圧迫感を感じさせないように葉切り作業を行うことが大切ですが、葉も樹高がまだ低い若い幹であるうちに、11月~12月にかけて頂点の新芽に近い部分の葉を3枚ほど残して切り取ることで葉の成長が抑えられ、以降に生えてくる葉の大きさが抑えられます。
しかし、葉切りは毎年行うと株全体の勢いが衰えてしまいますので、この作業は、3年に1回程度行えば問題ありません。
ヤツデの植え付け時期
植え付けは4月~5月頃でできるだけ根のしっかり張った株を選ぶことが大切で、植え付ける際大きな葉は水分をどんどん吸収してしまいますので切り落とし、水持ちの良い土壌に植えるのが最適とされています。
乾燥した環境が苦手とされ、また強い日差しは避け、半日陰のある場所を好みますのでまずそこが適したところなのか、そして寒さにも弱いのであらかじめ栽培に適した場所であるか、そこからきちんと調べてから始めることが大切です。