ウツギは北海道から九州まで広い地域で育つアジサイ科の落葉低木です。樹木の高さは2メートルから4メートルと程よい高さで、暑さにも寒さに強いので初心者にも育てやすく、生け垣や畑の境界などにもよく使われます。
材質としては硬く腐りにくいので、昔から木釘などに使われてきました。名前の由来は、幹の中が空洞であることから「空木」であるとか、旧暦の卯月(うづき)の頃に花を咲かせるから「卯木」であるという説があります。
花は5月中旬から7月上旬にかけて、旧暦の卯月の頃に独特の芳香がある白い花をたくさんつけます。花は、卯月の頃に咲くことから「卯の花」、白い小さい花をたくさんつける様子が雪のようだということから「雪見草」などとも呼ばれています。(ピンク色の花をつける品種もあります)
ウツギの剪定時期を間違えると花が咲かない
ウツギの花芽は春に枝を伸ばし花を咲かせた後、7月中旬頃~秋の時期にかけて作られます。なので、この時期に花が終わったからと言って強い剪定をしてしまってはいけません。
せっかく次の花芽の準備をしているのに、それを切ってしまうことになりますし、強い剪定をしてしまうと花芽を切るのもそうですが、夏に入りますので暑さで枝が枯れ込むこともあります。
この時期は、花が終わった直後に伸びすぎた枝を切りそろえたり、絡んでいる枝を少し間引く程度の剪定にとどめることです。強い剪定は、春に枝を勢いよく伸ばす少し前、冬に葉が落ちた時期に行なうのがよいでしょう。
ウツギの剪定のポイントは
伸びたままで勢いの強すぎる枝や、一ヶ所に枝が集中しているところ、他の枝と絡みあっているところなどの不要な枝をよく見極めて、切っていきます。
勢いの強すぎる枝をそのままにしておくと、樹木の形を乱すことになり、幹からの養分がその枝に優先して流れ込んでしまうため、他の枝の育成の妨げになります。
また、枝が混んでいる箇所、絡んでいる箇所を放置することによっても樹木の形が乱れますし、日当りや風通しが悪くなってしまいます。
なので、剪定することによって、樹木の形を整え、風通しを良くし、光が均等に当たるようにします。もし、絡んでいる枝や枝が込み入っている箇所がない場合はこれらの作業は必要ありません。
ウツギの剪定のポイント(切り戻し)
樹木が大きくなる場所がなく、小さいまま育てたい場合などは2月頃に全ての枝を株の根元近くまで切ってしまいます。
この作業は切り戻しと呼ばれるかなり強い剪定です。株元まで切ってしまいますので、切り戻しを行なうと当然その年は花をつけることはありません。
切り戻しは3~4年に一度にとどめます。上手にお世話をして、美しい花を長く楽しめるといいですね。