ツワブキは、10月から12月にかけて菊のような黄色い花が咲く多年草です。季節が秋から冬へと移り変わっていく時期に、寒風の中でも凛々しく咲いているのを庭や街中の花壇などでも見かけますよね。
寒空の下で咲く強い植物
このツワブキの花言葉は「謙譲」と「困難に負けない」という、二つの花言葉があり、「謙譲」はへりくだるという意味で日本らしい言葉が付けられています。
「困難に負けない」は、寒さが増していく時期に、日陰でもよく育ち鮮やかな花を咲かせることが由来とされています。
他にも花言葉は存在しますが、代表的なのがこの二つで花や木々が枯れていく冬に、背筋を伸ばしたかのように真っ直ぐと茎を伸ばしているツワブキの姿をよく表している花言葉でもあり、奥ゆかしさを感じさせる花です。
比較的育てやすいツワブキ
そんなツワブキは日本の土壌に合う性質を持っており、日なたや半日陰ですくすくと育ちます。土の成分は問わず、水はけのよい土を好み先述したように日陰でも育てることが可能です。
ですが、あまりにも日陰ですと葉の色が悪くなることがあり、逆に夏の直射日光は葉焼けを起こすこともありますので2~3時間程度の日光が当たる場所を選んで育てます。
水やりは、鉢植えであれば土の表面が乾いたら水をたっぷり与えます。地植えや庭植えの場合は特に水やりの必要は無く、肥料は植え替えや植え付けの時に与えれば良いです。ただし、与えすぎると葉に斑があるものは斑が出にくくなったり、葉が大きくなったりしますので注意します。
お手入れは、枯れた葉は取り除き、花が咲き終わったら花茎を切ってあげます。葉は冬でも枯れることがないので、そのままにしておいても大丈夫です。
また、ツワブキは株分けで増やすことができる植物で、植え付けや植え替えの時期に葉を2~3枚以上付けたまま根茎を切り取り、植え替えます。4月~5月、9月~10月頃が時期として適していますので時期を選んで作業を行います。
古くから愛されているツワブキ
ツワブキは昔から日本ではなじみのある植物で、俳句の世界では初冬の季節の季語にもされています。
ツヤのある葉にフキに似ていることからツワブキ、という名前が付いたという諸説もあり、日頃から親しまれている身近な植物です。また、寒さに強く、育て方や増やし方も簡単ですので園芸初心者の方も育てやすいでしょう。
植物の世界がちょっと寂しくなる季節に、あまり日の当たらない寒空の下で「困難に負けない」ツワブキを育てると、花言葉のように強い気持ちが生まれるかもしれませんね。