特徴的な可愛らしい花を咲かせる椿ですが、庭木を美しく保つために小さくしたい場合もあるでしょう。
放っておくとどんどん大きくなりますし害虫が寄り付く原因ともなってしまいますので、時には剪定してあげることも大事です。
とはいえ剪定方法を間違えると、花付きが悪くなることもあります。
そこで今回は庭木の椿を小さくするコツや剪定の方法をまとめてみました。
こちらを参考にし、庭の椿のお世話を楽しみましょう。
椿の基本情報
椿は日本を代表する花木であり、桜やつつじと並んで多くの人に愛されています。
日本では古くから親しまれており、観賞用として親しまれるようになったのは室町時代の頃からのため、非常に歴史のある花木でしょう。
あの万葉集にも椿を題材とした唄があることからも、いかに古くから椿が親しまれていたのか分かるのではないでしょうか。
椿は日本だけではなく海外でも栽培されており、欧米ではカメリアの愛称で呼ばれています。
品種が非常に多いのも椿の特徴の一つで、日本では2000種以上の品種が栽培されています。
そのため品種によって楽しめる時期が少し異なり、主に9月から4月という非常に長い期間、椿の花を目にする機会があるのも魅力です。
庭木として楽しむ以外にも盆栽や鉢植えなどでお手軽に栽培することができるため、園芸初心者が生育しやすいのも椿のポイントでしょう。
椿の剪定が必要な理由
基本的に椿は剪定するほど花付きが悪くなるとも言われており、そもそも日差しが当たらなくても生育する植物です。
しかしながらそれでも剪定が必要な理由はきちんとありますので、ご紹介します。
剪定をすることで風通しが良くなる
椿の剪定がなぜ必要なのかと言いますと、枝や葉にまんべんなく日光を与えるためではなく、風通しをよくするためです。
剪定をしないとどうしても枝や葉が密集してしまいますので、風が行き渡りません。
風通しが悪くなると害虫が発生する原因となり、これを防ぐために剪定をおこなう必要があります。
また放っておくと葉や枝が密になるため、見た目も悪いです。
見た目の問題として、綺麗に保つためという目的も剪定の理由にあります。
剪定の時期
椿の剪定をおこなううえで気を付けたいのが剪定の時期です。
剪定によって花芽を切り落としてしまうと、翌年の花付きに影響が出て楽しみが半減してしまいます。
そのため花芽が形成される前の時期に剪定を終えなければなりません。
時期としては、花が咲き終わった後の4月から5月頃がベストとされています。
6月以降になると新梢が伸びてきて先端に花芽を付け始めますので、その前までに剪定しておくとよいです。
椿には多くの品種があるため、品種によって若干違いはあるものの、剪定時期はおおむね4月から5月頃と覚えておきましょう。
また地域によっても花が咲き終わる時期というのは異なりますので、実情に合わせて剪定時期を見極めることも大事です。
椿を低く小さくした剪定方法
切り戻し剪定
切り戻し剪定は、樹形を小さくする、高さを低くするのにはよい剪定です。
切り戻し剪定は、簡単に書くと高さを決め所定の高さで切り戻しその後形を整え刈込むというかんじです。
ですが、強く樹木を切れば切るほど切った部分からまた新たな枝が生じ、強い枝がでますのでその後の管理をしっかりと行いましょう。
透かし剪定
椿の木を剪定する際の方法としては、透かし剪定という方法をご紹介します。
透かし剪定とは、不要な枝(からみ枝・逆さ枝・ふところ枝・徒長枝・胴吹き枝・ヒコバエ)を中心に全体的に樹形を整え葉の量を均一にする剪定です。
椿の透かし剪定をおこなうことで、全体的な枝のボリュームを減らすことができ、風が通りやすくなります。
きちんと時期を選んで剪定すればダメージはほとんどありません。
透かし剪定は技術が必要ですので、専門の業者さんにお願いするほうがよいと思います。
椿を剪定する際のポイント
椿の剪定を行う際には気を付けたいポイントがあります。
上手に仕上げるためにも、切込みの際にはポイントをしっかりと守るようにしましょう。
切込み後のイメージをしっかり持つ
椿を失敗せずに剪定するうえで大事なのが、最初に仕上がりイメージを固めておくことです。
また椿を低くしたい場合にも、いきなり小さくなりすぎないように、元の大きさの3分の2程度の大きさにとどめておくようにしましょう。
将来的に椿を大きく育てていきたい場合には、あまり剪定しすぎないのもポイントです。
特に葉を減らしすぎてしまうと、木の生育にも影響が出てきますので、やはり全体的なボリュームを減らしすぎないという点には気を付けるべきです。
チャドクガに気を付ける
椿の花木にはチャドクガという害虫が付きやすいです。
この害虫は毒を持っており危険性が高いですから、剪定をおこなう際には完全防備しておきましょう。
チャドクガが付いている葉を見つけたら、枝ごと剪定してしまうのがポイントです。
まとめ
椿は日本人にとって馴染みの深い花木で、ご家庭でも簡単に生育しやすいことから観賞用としての人気も高いです。
基本的には剪定しすぎてしまうと花付きが悪くなるため、あまり剪定はしすぎない方が無難です。
とはいえそのままにしておくと風通しが悪くなり生育に影響が出るのと、見た目も不格好になることから、時期を選んで正しく剪定してあげることが大事です。
きちんと剪定をおこなうことでチャドクガという害虫の発生をおさえることにも繋がります。
椿の剪定をする際には、花芽を切り落としてしまうと翌年の花付きが悪くなるため、花芽ができる前の4月から5月の時期におこなうようにしましょう。