サボテンはかわいらしい見た目が特徴的な観葉植物ですが、低価格で手に入れられること、世話が楽なこと、丈夫であるといった点でも人気を博しています。
近年はとげのないサボテンの種類も注目されています。とげなしのサボテンはとげありの種類より見た目が丸くなるほか、手入れの際にとげを気にしなくて良かったり、日常的に触ることができるためより愛着が増すという利点があるためです。ではどのような種類があるのでしょうか。
勇ましい姿の兜
兜系は有星類に属しているサボテンで、この種類は一般的には表面に白い点がいくつも散らばった見た目をしています。
学術名ではアストロフィツム属と呼ばれ、とげなし、あるいはとげの少ない種類が多くみられる上に、全体が五芒星など星形の見た目をしていることも多いです。
兜系はゴツゴツとした格好の良い見た目で、数あるサボテンの中でも特に人気の種類と言われています。寒さには強い品種で、日光に丁度いい具合で当てるなど上手く環境を整えてやると美しい花を咲かせます。
なお水やりを行うときは茎にはできるだけ水がかかるのを避ける方がよく、またやりすぎにも注意しましょう。
かわいらしい毛が特徴のペヨーテ
ペヨーテは学術名でロフォフォラ属と呼ばれる種類に属し、日本ではウバタマとして親しまれています。
ペヨーテはとげがほとんどない種類であるほか、日本語での呼び方の由来にもなっているかわいらしい鳥の羽のような毛をはやします。
また有星類と同じく花を咲かす種類でもあります。大きさは他のサボテンに比べると小さい傾向があり、茎は丸くしっかりとした硬さを持っています。
さらに成長がとても遅いことでも知られ、種類によっては花を咲かせるまで数十年もかかってしまうことがあります。ちなみにペヨーテは生で食べると幻覚作用があると言われ、アメリカのネイティブインディアンの人々には神秘の薬として重宝されていました。
不思議な見た目のランポー玉
ランポー玉系は兜系統と同様有星類に属し、前述の五芒星形の他、3個、4個の陵を持った星形のものなどとてもかわいらしい見た目をした種類が多いです。
こちらも兜系同様花を咲かせる品種で、愛らしい五角形の茎の先端に綺麗な花が咲く姿に癒されるコレクターは数知れません。
寒さには強いなどサボテンの中では丈夫な品種で春から秋では外に置いて育てることもできますが、直射日光には弱いため日焼けを起こさないよう注意して配置する必要があります。
カーテンなどで日光を弱める工夫をすると効果的です。土は水はけのよいものを用意してあげるとサボテンも健康に育つことができます。
その他のとげなしサボテン
これまで挙げてきたとげなしサボテンはほとんどが球状のサボテンですが、中には柱状のものも販売されています。
例えばロホセレウス、日本名で福禄寿と呼ばれるサボテンはとげが無いながらも立派な柱の形をしたサボテンです。うねうねとした見た目のロホセレウスは数あるサボテンのなかでも特に特徴的な形に育つ種類で、サボテンコレクターの間でも変わり者として愛されています。
そのほかにも本来はとげのある種類ではあるものの、突然変異や品種改良によってとげを失ったサボテンもあります。柱状のサボテンは大きく育つため、球状のとげなしサボテンとは触った感触がまた違うように感じられるでしょう。
とげなしサボテンの注意点
とげなしサボテンはこのように数多くの種類がありますが、種類一つ一つで育て方の注意点が異なります。
大きさによって使用する容器の大きさも変わりますし、水やりの頻度や行い方、日光の具合、季節ごとの置き場所などもサボテンの種類によってまちまちです。そのため種類一つ一つで育て方を調べたり、注意点を意識して世話をすることでよりサボテンも元気に成長することができるでしょう。
また、とげなしサボテンは容易に触れることが特徴ではありますが、丁寧にしなければ茎が傷ついてしまう可能性もあります。傷口は病原体の侵入の原因にもなりえますから注意が必要と言えます。