大きな花と心地よい香りで春の訪れを告げるシデコブシは、株が小さく花も美しいことから大変人気です。成木になれば肥料を施さなくても開花してくれるため手入れしやすい植物です。
かなり大きく成長するため、剪定はどのように行えばいいか悩む人も多いでしょう。シデコブシの剪定や、育てるのに最適な環境、水やりや肥料などについてわかりやすくご説明していきます。
剪定に適した時期と剪定方法
シデコブシは花が美しい落葉高木です。モクレンに似た花を咲かせますが、シデコブシは花の付け根に葉がついていて、モクレンは葉がついていません。
シデコブシは初心者でも育てやすい庭木の一つで、丈夫で成長も早く芽吹きも大変良いです。日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも十分に耐えられます。樹形を乱す枝が出てきた時などに剪定をして整えると良いでしょう。
シデコブシの剪定は、基本的には12月から1月が適しています。しかし、剪定に慣れていない人は、花芽を切り落とさないために花の終わった直後の4月から5月に行うと分かりやすくて剪定しやすいでしょう。生命力の強い庭木のため、基本的には1年を通していつ剪定しても特に問題はありません。
花芽は短い枝の先にできます。長枝の5芽くらいを残して切り詰めます。シデコブシの木が大きくなりすぎてしまった場合は、開花後すぐにシデコブシの全体を短めに切り戻します。
剪定するときは、木の内部に出てくる徒長枝や根元から出るヒコバエを元から抜く程度にとどめましょう。徒長枝が多く発生し枝が混み合いますから、枝透かし剪定と切り戻し剪定を併用して大きさを維持します。
花芽は小枝に多くつきやすいですから剪定時には絡み枝、銅吹き、内向枝、徒長枝などを切除すると綺麗な樹形を維持できます。植え付けは休眠時期である落葉期の12月から2月頃が適しています。
日当たりが良く、水はけの良い土が最適
シンボルツリーや庭木に最適なシデコブシは、日本の植物で岐阜県、愛知県、三重県などの東海地方を中心に栽培されていて、絶滅危惧種とされている植物です。
土質はあまり選びませんが、水はけのよい土が適しています。成長が早くかなり大きく育ちますから、鉢植えには向きませんし、小さな庭で育てることも難しいでしょう。
大きく育つことを想定し、広い敷地を確保して育てましょう。日当たりの良い場所に植えると健康に育ち、花を多く咲かせます。シデコブシは根が荒く細根が少ないですから、成木になってから移植することは非常に難しく、移植することで根を傷つけてしまう恐れもあります。
水切れや害虫、肥料やけにも気をつけましょう
剪定は必ず行う必要はなく、気にならなければ自然樹形のままの状態で育てても構いません。樹形が乱れたり、スペースを超えて支障をきたす場合は剪定を行いましょう。庭などに植え付けた後しばらくは、土になじませるために乾いたら水分を十分に与えましょう。
土に馴染んできたら必ずしも水をあげる必要はなく、自然に任せて大丈夫でしょう。若木の場合は定期的に肥料を与えます。成木になったら肥料をあげる頻度を減らし、十分に成長したら追肥しません。日当たりの良い場所で育てることが多いため、夏場には水切れを起こすこともあります。
日差しが強い春から夏にかけては、水切れを起こさないように気をつけて、1年に2回程度は虫除け消毒を行い、害虫による病気を防止しましょう。3月頃にはほのかな良い香りのする白やピンクの花をたくさん咲かせてくれます。ボリュームのあるかなり大きな花です。
育てるには十分なスペースの確保が必須ですから、植える時点で十分なスペースを確保しておきましょう。肥料を与えすぎると、肥料やけを起こして樹盛が弱まる可能性があるため、与えすぎないように注意しましょう。水分も過剰に与えすぎると根が張りにくくなりますから適度な量にとどめます。