シラカシはブナ科コナラ属の常緑高木で、原産国は日本及び朝鮮半島です。日本国内では東北地方の福島県以西の山地に生育します。関東地方では家の北側に植えて、空っ風を防ぐ防風林として利用されてきました。
シラカシは材が白いのでこのように呼ばれますが、樹皮が黒いのでクロカシとも言われます。一般的にはドングリのなる木として知られています。
樹高は20mに達し、葉は5~12㎝の長楕円形で、厚みがあり、上半部の縁には鋸歯があります。葉の上面はつやのある濃緑色で、裏面は薄い緑色をしています。
シラカシは病害虫に強いが注意すべき点は
土壌を選ばず、水はけの悪い土地や半日陰の場所でも生育し、潮風にも強いので、現在では防風樹、防火樹、生垣、公園樹、街路樹、庭木として利用されています。
シラカシは根が枝分かれせずに真下に成長するので、途中で移植をすると太い根が傷つき、枯れてしまいます。このため一度植えたら場所を変えないことが元気に育てるコツです。
また、生垣にする場合には株の間を狭めて植えると大きく成長しません。生垣の高さを1m前後に仕立てる場合は30㎝、1.5m程度にする場合は50㎝程度の間隔をあけて株を植えます。
シラカシの植えつけの時期は
植え付けは5~6月に行います。深さ50㎝ほどの穴を掘り、中の石やごみを取り除きます。掘り起こした土にはバーク堆肥や腐葉土を混ぜて通気性を向上させます。
水やりは基本的には自然の降雨だけで十分ですが、土があまりにも乾いている時は水やりをします。肥料は2月に寒肥として油カスを、根に当たらないように株の周りに穴を掘って埋めます。9月には化成肥料を与えます。
シラカシの生垣の剪定時期と剪定のポイントは
シラカシの剪定の適期は6~7月と10~11月です。年に一度の剪定であれば、新芽が固まる前の6月頃に行います。樹木の頭頂部の成長が早いので、生垣をあまり高くしたくない場合は芯止めをします。丁度良い高さで主幹の先を切ると、上への成長が止まり、こんもりした樹形になります。
伸びすぎた枝、樹形を乱す枝、逆さになった枝、枯れた枝などを付け根から切り落とします。生垣の場合、強めに刈り込んで脇芽を出させるのがポイントです。
シラカシは丈夫な樹木で、病気や害虫にも強く、消毒に気を使う必要がありません。施肥や水やりなど、こまめな手入れが苦手な人でも安心して育てられます。
冬でも落葉しない常緑樹なので、家の目隠しとなる生垣にはうってつけの樹木です。その他、秋には可愛らしいドングリの実がなるので、シンボルツリーとしても人気があります。