シモツケは古くから日本のほとんどの地域に自生するなじみの深い植物の一種です。花言葉は自由、気まま、いつもあなたを待っています、などとされており、丸い樹形や小さな花、色合いから、これまで多くの人に愛されてきました。
シモツケは厚さ寒さ、害虫等に強く、初心者にも育てやすい植物です。シモツケがどんな植物なのか、種類や栽培方法、剪定方法などを紹介します。
シモツケとはどんな植物か
シモツケはバラ科の植物で、学名ではpiraea japonicaと言います。シモツケの名は和名であり、これは現在の栃木県である下野(しもつけ)に多く自生していたことが由来になっています。
他にも、小さな花が咲いている様子を霜が降りた風景に見立てた説や、昔から下野で栽培されていた説があります。日本、朝鮮半島、中国等の北半球の温帯に分布している落葉低木で開花時期の5月中旬から6月頃に、白、赤、ピンクの3ミリから5ミリの小さな花を沢山咲かせます。
葉の形は長楕円形をしており、やや尖った葉先と縁が小さなギザギザになっているのが特徴です。鉢植えや路地植えに適しており、地面から多くの枝を広げ木の高さは約50センチから1メートルになります。
また横幅は約30センチから1メートル位が平均的な大きさです。暑さや寒さに強く、過度に大きくならないことや開花時期が長いことから、初心者でも育てやすい植物とされています。
シモツケの種類・栽培方法
シモツケの品種は約70種類とされています。濃い赤色の花を咲かせコンパクトな樹形をしているゴールドフレームや大型で葉が大きく、赤い花を咲かせるブマルダ等はよく見られる代表的な種類です。
地植えの場合は、日当たりや風通し、水はけが良い場所が適しています。少々湿気に弱い性質があるので、じめじめした場所は避けたほうが良いとされています。
病害虫に強い植物ですが、まれにウドン粉病を発症することがあるので注意が必要です。水やりは乾燥する時期と植え付け直後に行う程度で、頻繁にあげる必要はありません。
鉢植えの場合は、土の表面が乾燥して数日たってからたっぷりと水を与えましょう。肥料は地植えの場合は特に必要とされていませんが、やせ地の場合は1月から2月に牛糞や堆肥をあげるのが良いでしょう。また、鉢植えの場合は、新しい芽が出てくる4月頃に固形の油かすや緩効性化成肥料を与えましょう。
シモツケの剪定方法は?
枝や葉が混み合ってくると、風通しが悪くなりシモツケにとってあまり好ましくない環境になります。内側に湿気がたまると病気や害虫の原因となるからです。
枝や葉が密集してきたと感じたら、太い枝を切り落とすのが良いでしょう。数年に一度の割合で行い、場所は枝元から約20センチが最適です。
古い枝を切るとその後に新しい若い枝が出てきます。若い枝が出てくることにより、植物全体が若返り、花付きも良くなります。枝を切る時期は2月ぐらいが良いでしょう。
シモツケはその年の春に伸びてきた枝先に花を咲かせる植物です。枝を切ってしまったからといって、花が咲かないという心配はいりません。植物全体の形を整えたいのであれば、2~3年に1度のペースで剪定を行えば良いとされています。
剪定は花が咲いた後に徒長枝を切る程度で充分です。ちなみに徒長枝とは、勢いの強い枝のことを指します。その枝の成長が盛んであるために栄養分が吸収されすぎてしまい、他の枝の成長に影響を及ぼすようになります。
また、花が咲いた後の花がらは切り取りましょう。切り取った後の枝のわきからは、再び花芽がのびて花を咲かせるようになります。
この二番花が咲くことによって、7月の下旬頃まで長い間花を楽しむことができるようになります。最後に花がつかなくなってしまった枝は、花が咲き終わってから根元から切り、取り除くようにしましょう。