シマトネリコは比較的に生命力が強い樹木ですが、気候などの急激な変化によって、虫による食害を受ける場合があります。
生命力を信じて放置すると、葉が食い荒らされて大きなダメージを受けるため、早めの駆除を行うことが欠かせません。
春先に多いアブラムシ
春先から初夏にかけては、気温の上昇によってアブラムシが発生することがあるため、冬の時期とは違った対策が必要になります。
アブラムシが大発生すると、葉が縮れるなどの問題が発生し、場合によってはモザイク病の原因になることがあります。
この場合には、1匹ずつ捕まえることは非常に難しいですから、薬剤を使って対処していきましょう。アブラムシに有効な薬剤は多数あり、実際に使える種類が多いのが特徴ですが、浸透性が極めて高いオルトランを使うと効率的です。
アブラムシに対して薬剤を使いたくない場合には、牛乳をスプレーにして噴霧すると効果的です。この方法はアブラムシに対しては幅広く使われていますが、もったいないと感じるときには、木酢液や竹酢液を希釈して散布する方法も使えます。
シマトネリコが苦手な害虫ハマキムシ
シマトネリコが苦手にしている害虫では、ハマキムシも代表的となっています。ハマキムシは葉に糸を巻きつけて住み着く性質があるのが特徴で、そのままの状態にしておくと枯れてしまうことも珍しくありません。
これが全体的に広がると、樹勢に大きな影響を与えますので、この場合にも速やかに駆除を行います。
もっとも単純な方法は、糸が綴られた葉を潰してハマキムシを駆除することです。この方法は低い木に対しては有効ですが、シマトネリコの樹高は10メートルほどに達することもあるため、手作業で全て潰すことは大変です。
そのため、オルトランなどの殺虫剤を用いて速やかに駆除することが有効です。オルトランの他には、スミチオンという薬剤も効果があります。
薬剤を使いたくない場合には、アブラムシの場合と同様に木酢液を使うことで対処できますが、木酢液はやらないよりは、ましかな程度に考えといたらいいと思います。
カイガラムシやナメクジなどのも注意
カイガラムシが発生する場合にも、葉が枯れるなどの被害が発生します。この場合には、ブラシで落とすことができなければ、オルトランなどの薬剤で駆除していきます。
高温多湿の環境になると、今度はナメクジによる食害を受けることがあるため、夏場も油断ができません。この場合には塩水を散布することはできませんから、ナメクジ専用の殺虫剤を使って対処します。
ナメクジは夜に発生しやすく、昼間には見つけにくいのが特徴です。そのため、葉の状態を夜中にも確かめることで、被害を最小限に抑えることができます。