剪定ハサミの消毒は病気に感染した茎や枝を切り落とした際に必要な処置です。
切り落とした時に病気を引き起こすウィルスが刃に付着し、ハサミを媒体にしてウィルスが切り落として元気を取り戻そうとする植物どころか他の植物にウィルスを運んでしまい、結果として病気を広げていくリスクがあるからです。しかし剪定ハサミを消毒すれば、そのリスクを回避する事ができます。
そんなハサミの滅菌方法は大まかに分けて3つあります。
煮沸消毒
まず1つ目の方法は煮沸消毒です。
一般的には赤ちゃんに使用する哺乳瓶やジャムなどを入れる保存瓶に用いる方法ですが、剪定ハサミにも適用されます。
昔から高い殺菌効果があると知られているこの方法のメリットは特別な道具を用意しなくていい事と煮るだけで済む事です。
しかし剪定ハサミの場合は51℃以上の熱湯をかけるだけで問題ありません。もちろんその前にハサミを水洗いして綺麗にする事は必須です。
アルコール消毒
次に2つ目の方法はアルコールを使用する事です。
この方法もまた高い殺菌作用があることで知られています。また用意しなくてはならない手間はあるものの、手軽に薬局で入手できる事とアルコールをかけただけで済む事がメリットだと言えます。
そのアルコールを使用した消毒の作業は様々です。具体的にはハンドスプレーや霧吹き器などにアルコールを注いで刃に散布したり、底が深い容器にアルコールを入れてハサミを浸けたりなどあります。
ただしアルコ-ルを使用しても殺菌できないウィルスがいる場合もあるので、完全な殺菌ではないことを忘れてはいけません。
第三リン酸ナトリウムの消毒
そして最後になる3つ目の方法は第三リン酸ナトリウムを用いる事です。
第三リン酸ナトリウムとはウィルスを予防するために作られた水に溶けやすい薬剤で、ハサミなどの園芸の道具を殺菌する時に使います。
ウィルスの殺菌ではなく、活性化を防ぐ事を目的としていますが、園芸をする人の間では確実にウィルスの感染を防げると高い評価を得ています。
そんな第三リン酸ナトリウムの使い方は簡単で、水に薄めた第三リン酸ナトリウムが混ざった液体にハサミを数分から30分ほど浸し、その後流水で丁寧に濯げば完了です。
商品によっては薄めずに、そのまま使用できます。ただし第三リン酸ナトリウムはホームセンターにはなく、通販でしか購入できない事が注意事項です。
他にもハサミの刃をライターで軽く炙る方法や中性洗剤で洗浄して消毒する方法などがあります。