山茶花(サザンカ)
椿(ツバキ)
山茶花(サザンカ)と椿(ツバキ)は、真っ赤な花びらで真ん中が黄色くなっているのが特徴で、一見すると違いがよく分かりません。
それもそのはず両者ともツバキ科ツバキ属の植物なので、似ているというわけです。
山茶花(サザンカ)と椿(ツバキ)の種類は
まず山茶花は、日本国内でも中国地方の一部や沖縄県の山林などで自生しています。現在300品種以上あると言われていますが、サザンカ群・カンツバキ群・ハルサザンカ群の3種類に大別できます。
一方椿はほぼ日本全国で見られる常緑性の高木です。成長が遅いが長持ちするのが特徴で、京都の天然記念物に指定された「滝の千年椿」のように1200年生きているものもあります。
品種改良が進み、日本だけで1000種以上、世界では6000種以上あると言われています。
両者とも品種改良が進んでいるので、種類によっては違いがほとんど分からない品種が存在しているのです。そこで両者の違いや見分け方を紹介します。
山茶花(サザンカ)と椿(ツバキ)咲く時期が微妙に異なる
まずは咲く時期が微妙に異なります。
山茶花は10月~2月という秋から冬にかけて咲きます。
一方椿は12月~4月に開花し、真冬から春にかけて咲きます。
咲く時期が微妙に被るので、これだけでは見分けることは困難です。
花の見た目もほとんど同じなので、両者は葉の様子で見分けられます。
山茶花(サザンカ)と椿(ツバキ)の葉の特徴について
まず葉の大きさは山茶花は3cm~7cmと小振りなのに対し、椿は5cm~12cmと倍程大きいという違いがあります。
さらに山茶花の裏側の葉柄から主脈には、細かい毛が生えていてザラザラしています。一方椿は、ツルツルしており、見た目もツヤがあるように見えます。
また葉の縁もだいぶん違います。山茶花はギザギザしているのに対し、椿はギザギザはありません。そして光に透かしてみて、葉脈(縦の1本線)が黒く見えるのが山茶花で、白く見えるのが椿です。
山茶花(サザンカ)と椿(ツバキ)を花で見分ける
次に花で見分けるには、まずは香りから見分けられます。
現在品種改良が進み一概には言えませんが、椿の方はほとんど香りがありません。
もともと花は受粉のために香りを発し昆虫や鳥をおびき寄せる必要がありますが、椿は真っ赤な色彩でこれらをおびき寄せるので余計な香りは必要ないと言われています。
一方山茶花は、花の色によって香りが異なり、特にピンクがジャスミンのような芳醇な香りがすることで知られています。
さらに咲き終わった後の花の散り様も異なります。椿は花の頭ごとそのまま落ちますが、山茶花は花びらが1枚ずつ落ちていきます。
また実も異なり、椿の実はツルツルしていますが、山茶花の実は毛が生えているのでザラザラしています。