レモンやオレンジなど、柑橘類は温暖な場所で育つイメージがありますよね。
その通り、柑橘類は乾燥した温暖な場所を好む植物です。
でも、日本の冬を越せる、寒さに強い柑橘類も中にはあります。
今回は、寒さに強い柑橘類と、それを育てるときの防寒対策についてご紹介していきます!
柚子
柚子は柑橘類のなかでも耐寒温度が高い植物です。
柚子の耐寒温度はマイナス7℃程度で、実際岩手県や秋田県でも地植えで栽培が可能と言われています。
ただ、積雪や霜で凍傷が出たり、マイナス5℃を下回ると葉が黄変して落ちるので、冬季は霜よけやマルチングをして対策が必要です。
柑橘類に多く含まれるビタミンCですが、柚子のビタミンC含有量はレモンより多いそうです。
お料理の香りづけに少しだけ使ったり、ジャムや苦味の効いた柚子ピールなど、贅沢に使えるのは自家栽培ならではですね!
金柑
金柑は耐寒温度がマイナス5℃程度と、柑橘類の中では寒さに強いと言えます。
たくさんの甘い実をつけるには、日照が必要なので、寒い時期だからといって屋内や屋根のあるところに入れてしまうと実付きが悪くなってしまいます。
金柑は、一般的な柑橘類と違って、春から伸びた枝、前年の枝にも実がなります。
また、勢いのある枝でなく、下垂した弱い枝に、大きな実が付きやすいので、剪定するときに下垂するように誘引したり、下垂した枝を切ったりしないように注意しましょう。
温州ミカン
温州ミカンの耐寒温度はマイナス5℃と、金柑と並ぶ耐寒性がありますが、冬のはじめや春の急激な冷え込みには耐えられないことがあります。
葉の凍結や風害で葉が落ちると、翌年の実成りに大きな影響が出るため、防寒対策は必須です。
温州ミカンの中でも、極早生の「日南1号」という品種は、寒さに強い品種とされています。
温州ミカンは品種改良が盛んで、栽培品種が多いので、育てる地域によって適した品種を探してみて下さい。
カラタチ
実は食用に向きませんが、柑橘類には珍しい落葉樹、カラタチは耐寒性が高く、冬越しが容易です。
鋭いトゲがあり、古いお家には防犯的に生垣に植えてあることも多い植物です。
4月~5月頃に咲く白い花は、柑橘類らしくすっきりと甘い香りが漂います。
実は苦味・酸味が強く、生食には向きませんが、果実酒などで楽しむことができます。
柑橘類の冬越し方法
鉢植えで育てる
柑橘類は低木なので、地植えの方が大きく実付きよく育ちますが、寒い時期は移動できるよう、鉢植え栽培がおすすめです。
特に、夜間だけや雪の降る日だけでも屋根や壁のある場所に移動させておけば、霜や雪害を防ぐことができます。
積雪の少ない温暖地なら、鉢植えを移動するだけで冬越しできる場合もあります。
大きい鉢は、キャスター付きの鉢台に乗せておくと、移動が楽になりますよ!
寒冷紗をかける
積雪が少ない場所なら、ホームセンターや100円ショップで販売されている寒冷紗も有効です。
金柑などの実は、冬場、餌が少ない鳥に食べられることがありますが、寒冷紗をかけておけば鳥害も防ぐことができます。
寒冷紗には白・黒・シルバーの光る糸入りのものなど、様々ありますが、黒は夏場の日よけのための商品なので、日照をカットしてしまうため、冬越しのときは避けましょう。
簡易ビニールハウス・ビニールカバー
ベランダなどでも使える、小型の簡易ビニールハウスも柑橘類の冬越しに適しています。
1株だけを覆うカバー型のものや、ポップアップテント型のもの、鉢を数個入れられるビニールハウス型のものなど、ホームセンターやネットで様々な商品が出ています。
育てている木の大きさや数に合わせたものをえらびましょう。
ビニールハウスやカバーなら、寒さだけでなく風も遮るので、冷たい風や強風で蒸散しすぎて葉が落ちてしまう、温州ミカンの落葉の予防にもなります。
通気性が悪くなるので、温かい日中に風を通すなどの工夫が必要です。
マルチング
霜柱や土中の水分の凍結による、根のダメージを避けるためにはマルチングが有効です。
藁やウッドチップ、水苔、マルチシートなどを根元に被せてマルチングします。
水やりのタイミング
冬場の水やりは晴れた日、太陽が上がってから行いましょう。
夕方に水やりをすると、根が吸収する前に、夜間の温度低下で凍って根にダメージを与えてしまいます。
また、冬は葉からの蒸散が減るため、夏ほど水を必要としていません。
土表面が乾いているからといって、頻繁に水やりをしていると、根腐れしやすくなります。
特に柑橘類は、乾燥気味の環境を好むものが多いので、鉢植えなら軽く鉢を持ち上げてみて軽くなっていたら水をやるなど、土の中の状態を観察して、乾燥していたらたっぷり水をあげるようにしましょう。
まとめ
冬季にマイナス7℃を下回る地域でなければ、柑橘類を栽培できるということが分かりました。
防寒対策も、様々な方法がありましたね。
柑橘類は花の香りも良く、実も食用できるので、寒さに強い柑橘類を選んで、栽培を楽しんでみましょう!