日本人の多くは、桜の花に強い思い入れがあるのではないでしょうか。寒さが揺るぎ始める季節に一斉に花開く桜の花は毎年見ていても飽きることはなく、満開の桜並木には感動も覚えます。
新しいことをスタートさせる季節でもあるので桜の花に希望の光を重ね見ている人もいるかもしれません。そんな日本人の心に根付いている桜ですが、話を聞いたことがあります。
桜の木を庭に植えると縁起が悪いという理由
桜の木が庭にあれば毎年自分の家でお花見をすることができるのに、縁起が悪いと言われているのには、何か理由があるのでしょうか。
江戸時代頃までは桜は縁起の悪いものだとされていたことがあったようです。桜の季節の結婚も縁起が悪いと避けられたことがあったようです。
確かな根拠はわかりませんが、理由のひとつとして「散る」イメージが強いからではないでしょうか。
また、墓地や戦場跡地などに多く見られることから桜は人骨を吸って育つなどの言い伝えや、桜の根元には死体がある、などといった怪談話からあまり明るいイメージが付かなかったのかもしれません。現代では祝儀袋の装飾に桜のイラストがあしらわれるなど、マイナスのイメージは全くありません。
それでも庭に桜の木を植えることは反対されることが多いようです。理由としては桜はとても養分を吸う樹木なので他の木が育たなくなるとか。桜が立派に育っても、他の植木が枯れてしまってはガッカリしますね。
また、大きく成長するので枝葉が生い茂り、家の日当たりが悪くなります。木の根が伸び、家の基礎を破壊することもあるようです。
「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿」というように桜は大きくならから
「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿」という諺があるように、桜は選定せずに成長させて多くの花を咲かせ楽しむ樹木です。また剪定することで木が弱ってしまうことがあるようですので小さく維持することは難しいでしょう。
葉が生い茂る季節になると、アメリカシロヒトリなどの害虫がつきます。大量発生することがあるので自宅だけでなく近隣の住宅に迷惑をかけることにもなります。また管理が行き届かずに木が腐った場合、白アリが棲息することもあります。
家の庭に白アリの巣がある状況は想像したくない状況です。秋になると生い茂った葉が落ち、大量の落ち葉の片付けに追われます。近所迷惑にもなりますので落ち葉を放置しておくわけにもいきません。
上記のようなことを考えると昔の人が「庭に桜の木を植えると縁起が悪い」と言い伝えてきた理由も理にかなったもののような気がします。また、風水でも「庭に母屋よりも高くなる木を植えるのは凶」とされているそうです。