ノリウツギは、もともと日本に自生している植物ですが、花の色がいろいろと変化してきれいなので、庭木としてとても人気があります。
園芸用に品種改良されたものも発売されています。花がとてもアジサイに似ていますが、両者には大きな違いもあります。この記事では、ノリウツギの特徴や育て方についてアジサイとの違いにも触れながら紹介していきます。
ノリウツギの特徴とは?
ノリウツギはアジサイの仲間の1つです。原産地は日本で北海道から九州まで幅広く分布していますが、一部、中国の中部や南部にも生息しています。
ノリウツギは漢字では「糊空木」と書きますが、これには由来があり、昔はノリウツギの樹液が糊として使用されていたからということ、また、「空」という漢字が使われているのは枝の中心がスポンジのような状態になっていて密度が高くないという理由からのようです。
そして、ノリウツギの花はアジサイと非常によく似ていますが、アジサイとはまた違った魅力を備えています。
たとえば、アジサイの花が全体的に小ぶりなのに対して、ノリウツギの花は花房が大きくてある意味、自己主張が強いと感じられることもあるでしょう。
また、ノリウツギの花は両性花でそれらが円錐形の形をなして集まって咲くのが大きな特徴なのに対し、アジサイはどちらかというと手鞠咲きやガク咲きなので、ここはアジサイとの大きな違いでもあります。
円錐形の形の中で丸みを帯びた装飾花がちらほらと見えて、花房が大きいにもかかわらず、可愛らしさも持っているのです。
ノリウツギの花の色は基本的には白色ですが、品種によってはクリーム色のものもあります。開花時期は7月から10月で夏から秋まで咲き、寒くなってくると枯れますが、花の色は白色から濃いピンクや赤色に変化していくので、これは他の植物にはない面白さかもしれません。
アジサイよりも開花は遅く、品種としてはミナヅキとライムライトがあります。これらは両性花がなく装飾花のみで、ミナヅキは白色の花を、ライムライトは最初は黄緑色の花を咲かせ次第にクリーム色に変化して、それからピンク色の花に変わっていきます。
花が咲いている時期にいろいろな色を楽しむことができるという面白さがあります。
ノリウツギの育て方とは?
ノリウツギは昔から花の美しさから庭木として大変な人気がありますが、耐寒性や対暑性が強くて植物を育てるのがはじめてという人であっても育てやすいです。
ノリウツギは日当たりが強いところを好む性質がありますので、育てるときには日当たりの良いところに植えてあげるといいでしょう。
ただし、日光がそこまで強くなくても1日に数時間程度日光が当たるのであればすくすくと育っていきます。また、アジサイの仲間なので、水を好みます。
夏場は水不足になりますので日当たりよりも乾燥しないように水をたくさんかけてあげましょう。しかしながら、冬になったら水やりはそこまで必要ありません。
土を触ってみて完全に乾燥していたら水やりのタイミングです。この時期に水を与えすぎると株が傷むことがあるのです。ノリウツギにあげる肥料については、1月から2月頃を目安にして有機肥料をまくといいでしょう。
春になったらノリウツギがどんどん活発に成長してくれます。それから、7月頃の花が咲くころにも肥料を与えることをおすすめします。用土については水はけがよければどんな種類のものであってもかまいません。
植え替えについては、葉が枯れ始める冬の時期にしておきましょう。ノリウツギを増やしたいという人は挿し木か取り木で増やすことです。花が咲く前の6月頃に行うといいでしょう。
注意点としては、剪定で形を整えあげる必要があるということです。花が枯れ落ちた後にすぐにやりましょう。あまり日が経ってから行うとつぼみや芽なども取ってしまって翌年に咲く花の数が減ってしまうことがあります。
9月頃までには行うことです。やり方は簡単で、開花している枝を切り取って、開花していない枝はそのまま放置すればいいだけです。ただし、開花していなくてもすでにすいぶん長く伸びている枝があれば、取り除いた方がいいでしょう。