趣味のガーデニングが高じて庭に何かアクセントになるものを、あるいは、家族に新しい変化があったときなどの記念として、シンボルツリーを植える方も少なからずいらっしゃるでしょう。
シンボルツリーとして人気が高いのが、平和の象徴、ノアの箱舟のお話で有名なオリーブの木です。オリーブは常緑樹です。一年中我が家の顔として生い茂った美しい姿を見せてくれるので、シンボルツリーに向いています。
また、うまく栽培して身をつけさせることもできますので、常緑樹ながら、季節感をもたせることもできます。シンボルツリーの中でも人気があるのもうなずけます。
オリーブの木の周りに下草を植えるはダメ?
さて、そんなオリーブですが、いざ植えてみるとなんとなく寂しい感じがしてしまうかもしれません。オリーブの周りをにぎやかにいろどるために、下草を植えるというのも一つのやり方です。
周りを植物で覆うことで雑草の予防にもなるということで、ガーデニング界隈では人気のある手段です。では、オリーブの下草としては、どのような植物が向いているのでしょうか。結論から言いますと、オリーブの周りには下草は植えること自体お勧めできません。
オリーブの木に下草がむかない二つの理由
理由は大きく二つあります。まず、繁殖力が旺盛な植物を周囲に植えてしまうと、その根がオリーブの根を傷つけ、オリーブの生育を妨げてしまうおそれがある、というのが理由の一つです。
オリーブはデリケートな植物です。オリーブをシンボルツリーや庭の主役に、と考えているのであれば、周囲に何か植物を植えることでオリーブが育たなくなる、という本末転倒な結果になってしまうかもしれません。
そして、二つ目の理由は、害虫です。オリーブの木の天敵には、オリーブアナアキゾウムシ、ハマキムシなどがいます。とくにオリーブアナアキゾウムシは、木の幹を食べて空洞にしてしまい、ひどい場合には木を枯らしてしまう害虫です。
このゾウムシは、暑さや乾燥に弱く、水気や湿気を好む性質があります。一方オリーブは、やや乾燥気味の環境を好みながらも、ある程度の水を必要とする植物です。足元に他の植物を植えたうえで水をやると、足元が蒸れて害虫の住処になってしまう恐れがあります。
また、このゾウムシが木に住み着いているかどうかは、根元におがくずがたまっているかどうかで確認するので、足元が植物で覆われていると、ゾウムシの発見が遅れてしまい、木を枯らす結果につながりかねません。
こうした理由から、オリーブの根元には下草を植えないほうがよいと言われています。オリーブ単独でも美しい木ですから、その姿を堪能するのがおすすめです。