オリーブを地植えしたら大きくなりすぎる?大きくしないための剪定方法

オリーブの木

庭木や玄関先のシンボルツリーとして人気が定着したオリーブ。

渋いグレーがかった銀葉色が、モダンでおしゃれな雰囲気を醸し出してくれる樹木です。

でもオリーブが「高木」に分類されるほど大きくなることをご存知でしょうか。

オリーブを地植えしても、大きくしない剪定方法について調べてみました。

オリーブはどれぐらい大きくなる?

オリーブは地中海周辺にルーツを持つ、モクセイ科の常緑高木です。

実が食用でき、油もとれることから、古代から広く栽培されてきました。

見た目のおしゃれさに加えて、こまめな水やりを要しない、落ち葉が少ない、「平和」を象徴するイメージの良さもあって、庭木としても人気を集めています。

しかし、植えて数年で手に負えなくなったという人も…。

実はオリーブは、成木になると5~15mにも成長する高木なのです。

しかも、樹木の中では成長スピードが速い植物なので、剪定をしないでいると、高さもどんどん伸び、枝も広がってしまいます。

強健なうえ、寿命の長い植物であることから、放置しても伸び続けて、伐採するしかない…というケースもあるほどです。

オリーブを大きくしないためには剪定が欠かせない

オリーブは、地植えの場合1年間で50cm近く成長することもある、成長旺盛な樹木です。

樹勢が強く、萌芽力も高いので、枝数もどんどん増えて横にも拡がっていきます。

地植えのオリーブを限られたスペースで育てるためには、剪定が不可欠です。
高さを抑えるためには、希望する高さを超えたところで、主幹を剪定します。

今後のお手入れのことを考えると、1~2mに抑えておく方がいいかもしれません。

早めに主幹を剪定しておくと、主幹が太く頑丈に育ちやすいというメリットもあります。

オリーブは品種によって、樹形に違いがあります。

枝が上方向に伸びて高さが出やすい「直立性」と、枝が横方向に広がって幅が出やすい「開帳性」です。

木の性質をよく観察し、植えたスペースに合ったサイズに枝も整えていきます。

まずは、ヒコバエ、混みあった場所の枝、他の枝に交差する枝、下向きに生えた枝、枯れた枝を付け根から切る「間引き剪定」です。

間引き剪定では、植えつけ後数年は、全体の1割程度、成木で全体の3割程度を目安に剪定しましょう。

既に理想の木の幅を超えている場合は、長い枝の途中で切って、木の横幅を調整します。

枝の長さを調整する剪定の場合は、50cm以上切らないように気を付けて下さい。

一気に短くしてしまうと、木の方でバランスを取ろうと、翌年不要な枝がたくさん出てしまうことがあります。

大きくなりすぎたからといって、目標とする幅に、一気に刈り込むのではなく、数年かけて整えていく感覚で剪定すると、失敗が少なくなります。

現在のボリュームを維持しながら成長させる場合は、枝全体の1/3ほどの長さまで剪定しましょう。

枝先を切り落とすと、翌シーズンの花が付かない心配があるかもしれませんが、オリーブは枝の中間から先端にかけて花芽が付くことが多いので、安心して切ってください。

剪定適期は、木の生育が落ち着く2月~3月です。

切る量が多く、切りすぎる不安もありますが、生育旺盛なオリーブは、またすぐに枝が生えてくるので、それほど神経質にならなくても大丈夫です。

剪定後、主幹や太い枝には断面に「トップジンM」などの癒合剤を塗布しますが、細い枝であれば不要です。

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地植えでも大きくなりすぎない品種

オリーブには約1000種の品種があると言われています。

中でも比較的大きくなりにくい品種、生育が緩やかな品種をご紹介します。

マンザニロ

 

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生育や緩やかで高さがコンパクトに抑えやすい品種です。

スペイン語で「小さなリンゴ」を意味する「マンザニロ」は、実が大きいのも魅力。

樹形は開帳型なので、広めのスペースで育てるのがおすすめです。

アルベキナ

 

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オリーブの中では小型の品種です。

枝葉がよく茂るので、道路からの目隠しや生垣に向いています。

チプレッシーノ

 

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直立型の樹形ですが、鉢植えでも育てやすいコンパクトな品種です。

「チプレッシーノ」はイタリア語で「糸杉」という意味で、樹形が糸杉のような形に整いやすいため、剪定のバランスもとりやすいですね。

ミッション

 

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直立型で高くなる品種ではありますが、比較的生育が緩やかです。

気候に合っていて日本でも良く育てられている品種です。

オリーブの木自家受粉できない品種が多い

オリーブは、自家受粉できない品種が多いので、1種類では実がならないことが多く、自家受粉できる品種でも1種類では実成りが少なくなると言われています。

結実を楽しみたい場合は、違う品種のオリーブを一緒に育てましょう。

「コロネイキ」という品種は、花粉量が多く授粉用に育てられることが多い品種です。

大きくなりすぎると、管理に困るオリーブですが、どこか異国情緒のある姿は他の樹木には代えがたい存在感のある庭木です。

生育旺盛なため、多少切り過ぎても、新しい枝が毎年出てくるというのも、剪定初心者向きですね。

剪定を欠かさずにいれば、オリーブを地植えしても大きくしないで育てることができます。

上手にオリーブと付き合っていきましょう。