オリーブを地植えした場所から移動させても大丈夫?

オリーブの木

突然ですが、地植えの庭木の移動をしたことがありますか?

鉢植えであれば簡単ですが、地植えとなると、根の処理、土壌改良や植穴堀りなど、なかなかハードルが高い作業です。

今回はオリーブを地植えした状態から移動する方法についてご紹介していきます。

「オリーブを植えてみたものの、場所が合っていない気がする」「地植えしたオリーブが大きくなりそうなので、広い場所に移したい」と考えている方は是非最後までご覧ください

オリーブの好む環境

西アジア~北アフリカ、地中海沿岸にルーツをもつオリーブは、日当りのいい温暖な場所を好みます。

15~20℃の温暖な気温が適していますが、耐暑性が高く、日本の夏の直射日光でもさほど心配は要りません。

冬も-10℃程度あれば屋外で越冬できますが、氷点下になる場所では、株元にマルチングして防寒しましょう。

乾燥した弱アルカリ性の土壌を好みます。

湿度の高い土壌では、木が弱りやすく、炭疽病や白紋羽病などカビが原因となる病気にかかることもあります。

オリーブは生育旺盛で強健な種類ではありますが、日陰や水はけの悪い環境は、徒長して樹形が崩れたり、生育障害で葉が枯れ落ちる原因の一つです。

ご自宅のオリーブが、バランスの悪い枝の伸び方になっていたり、葉が黄変、落葉している場合は、適した場所へ植え替えを検討してみて下さい。

特に白紋羽病は、根につく菌が原因となって拡がってしまうので、早めの植え替えが必要です。

オリーブを地植した状態から移動する方法

植え替え適期

真夏と真冬、開花期以外であればいつでも植え替え可能ですが、緊急でなければ4月~6月頃に行いましょう。

根回し

植え付けから5年以上経過した成木の移植であれば、1年~半年前の2~6月、9~10月に「根回し」をしておくと、移植の成功率が上がります。

根回しというのは、移植で切れてしまう細い根を、増やしておく方法で、太い根を切って、切った根から根毛(太い根から生えた細い毛のような根)が生えるようにする方法です。

根回しの手順

  1. 幹の太さの4~5倍の直径で、幅30cmほど掘る
  2. 太い根のうち半分ほどを、堀った溝の外側の円の長さでカットする
  3. 切った根の皮を剥く
  4. 埋戻し

成木の植え替えや根回しは、木に大きなダメージを与えるため、正しく行わないと枯れてしまうことがあります。

植え替えの手順

1.掘り上げ

植わっているオリーブの根元を掘り上げますが、根を傷つけないように注意が必要です。
まずは幹を中心とした、幹の太さの1.5倍程度の円でスコップを入れます。

太い根に当たってスコップが進まない時は、無理に掘らないで外側へ掘り進めましょう。

最初にスコップを入れた円の外側へ向けて掘り進めます。

オリーブの根はそれほど深く張らないので、円の周囲の土が取れたら、底にスコップを挿して掘り上げます。

2.根の処理

白紋羽病やコガネムシなどで、根がボロボロになっている場合は、消毒したハサミを使って切り落とします。

根が健康であれば、根毛をしっかり残したまま移植したほうが、移動した場所に定着しやすくなりますよ。

3.植えつけ

植えつけ場所の土の状態が悪い場合は1ヶ月前までに土壌改良しておきましょう。

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植穴に株を置いて土を入れていきます。

幹の周囲を少しくぼみを作るように土を持って、水鉢をつくります。

水をかけて土が沈むようであれば、根と土に隙間ができていることが考えられるので、しっかり土を足しましょう。

根が活着するまでは、風で倒れることがあるため、支柱を立てておくと安心です。

4.剪定

根が活着するまでは、水切れを起こす可能性が高まります。

葉からの蒸散を防ぐためにも、枝を間引くか、1/3程度の長さで剪定します。

地植えのオリーブを移動させるときの注意点

6月以降は、根の生育が活発になる時期です。

葉も茂って水や養分がたくさん必要になる時期なので、根にダメージを与えると移植枯れを起こす原因になります。

根が活着しても、台風や大雨で木が揺らぐことで、細い根が切れやすくなります。

地植えのオリーブを移動させるときは、時期に注意が必要です。

移動した場所に根付くまでは、水を枯らさないことに注意してください。

根がちゃんと活着したかどうか確認するポイントは、新芽です。

移植の後、新芽がついてきたら、きちんと根付いてきていると言えます。

木が大きくなればなるほど、根の役割が大きくなりまります。

地植えのオリーブを移動する場合、根の生長を一番に考えて移植しましょう。

地植えから鉢植えに替えるには

地植えしていたオリーブを鉢植えにするには

高木で大きくなるオリーブを鉢植えで育てることは可能ですが、なるべく苗木のうちに鉢に植える方がいいでしょう。

地植えから鉢植えにする場合も、根を傷つけないことが肝心です。

鉢植えにすると、土の保水量が大幅に減るので、根が活着するまでは特に水やりに注意してください。

日向を好むオリーブですが、地植えから鉢植えに植え替えた直後は、直射日光を避け明るい日陰に置きます。

新芽が出て、活着が確認できたら、水やりは控え目にして日向に置くようにしましょう。

草花に比べ、樹木はしっかり根が付かないと、大きな幹や枝葉まで水が行きわたらなくなってしまいます。

オリーブは特に生育旺盛なので、移植で根が弱ってしまうと枯れることもあります。
移植の時期も大切なので、移動が必要な場合は、計画的に進めましょう。