庭木の下草は生け花の組み合わせてで考えてみる

庭木の手入れ

まず、下草の役割、効果について考えてみたいと思います。下草の役割は庭木に着目した場合、とても小さいものと考えがちでありますがそうではありません。

土壌の保湿の役割等も考えられるが、何より、視覚的に庭木と下草が雰囲気のいい感じの組み合わせであった場合、相乗効果で庭全体が非常に洗練されたものに見えるからである。

考えられる組み合わせとして

桜と鳴子百合。
雪柳(ユキヤナギ)と著莪(シャガ)。
馬酔木(アセビ)と玉羊歯(タマシダ)。等々…。

 

これは生け花に見られる、典型的な組み合わせであるけれどもこの生け花の組み合わせには理屈の通るものがあります。鳴子百合、著莪、玉羊歯等は、その庭木の見所の時期にまず、萎れていたり枯れていたりすることがないことである。

植物の組み合わせを考える時、植物の生態を知ることは基本

基本的なところではあるけれども、意外に見落としがちな基本である。要は、植物の組み合わせを考える時、その植物の生態を知ることは1番基礎になる部分であるということである。

 

生態には、花の時期もあるが、元来その植物が好む場所も含まれる。乾燥気味の場所を好む植物。湿度の高い場所を好む植物。やはり似たような場所を好む植物同士を合わせて植え込まなければ違和感はもちろん、長く楽しむことはできません。

例えば、湿度の高く涼しい場所を好む谷渡りや山羊歯等は、見た目に緑色がとても美しいけれども、木に囲まれる等して日陰を確保できる場所に使う事を心掛けたい。

庭木の下に、下草の代わりとして低木

また、割合大き目の庭木に対して、下草の代わりとして低木を使うのも良いかと思う。木は下草よりもインパクトが強い為、木と木の使用には多少の知識とより高いセンス、また美しさを保つ為の手入れもより多く求められるかもしれないが、成功すれば、庭全体の中の大きな見せ場ともなり得る。

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松の木の下に牡丹。
蝋梅の下に雪柳。
楓の下に菖蒲、等々…。

 

かなり遊び心の感じられる雰囲気を醸し出すことができ、庭という括りから、自分の一つの作品ともなり得る程の愛着も湧くかと思う。しかしこのような気の利いた取り合わせはいきなり難しいかもしれないので一つの参考として、襖絵等の日本画や琳派絵画も研究してみると良いだろう。

 

違う目線から風景の楽しみ方、作り方を考えることができるかと思う。

 

よりセンスの高い庭を作るには、生き物を相手にする以上、色んな方面からの知識が必要であるが、大まかには、植物の生態を愛情持って調べ、知る事と、先人が植物をどのような視点で見てきたかを知る事にもあるのではないだろうか。

 

先人が、写実してきたものは、自分一人が感じたことの何倍もの感性が混ざっているのだから。