モッコウバラは中国原産で、江戸時代に日本に伝えられた品種です。インド原産の植物からとれる芳香剤のモッコウと似た香りだったことから名付けられました。
バラの一種ですが、一般的なバラよりも強健で育ちやすく、棘もないため、バラを育てたい初心者にも最適な品種だとされています。
モッコウバラの特徴は
モッコウバラには、黄色と白色の2種類の花色があり、それぞれ一重咲きと八重咲きがあります。
黄色の八重咲きが広く普及していますが、さいきんでは白色も少しずつ普及しており、高い人気を誇っています。
白色の方がバラ独特の甘い香りが強い特徴を持っています。
モッコウバラは4月から5月に、2cm~3cmの小ぶりの花を沢山つけます。小ぶりながら沢山の花を咲かせるので、見ごたえがあります。
モッコウバラの剪定と剪定時期
モッコウバラは常緑つる性低木なので、一年中青々とした緑を付けますが、開花は一期性になります。
5月下旬になると花が咲き終わるので、5月下旬から6月までに枝を切り落とします。
8月から9月になると、翌年に花を咲かせるための新芽を付けるので、夏までに剪定を終わらせる必要があります。
剪定をしなければ生育が旺盛なので枝ばかりが伸びてしまったり、シュートが伸びて全体像の見栄えが悪くなってしまいます。
また、枝ばかり成長したら、花芽にまで栄養が行き届かずに、花つきが悪くなったり、花が咲かない場合もあります。
モッコウバラを誘引する時期はいつがいい
モッコウバラはつる性なのでフェンスや支柱、アーチなどに誘引することによって、さらに美しく演出することができます。
下からフェンスや支柱に巻き付けて上に這わせることもできますし、高いところからアーチや壁面に這わせることによって上から垂らして演出することも可能です。
誘引時期は、春先に剪定した後に行うと、ちょうどこれから成長していく時期と重なるので最適です。誘引は、太い枝を中心にしてフェンスや支柱に麻縄などで固定をして、直立方向ではなく、横向きに絡ませるようにすれば、伸びやすく見た目も美しくなります。
他のバラと一緒に誘引することもできますし、つるに棘がないのでアレンジしやすいのが魅力になっています。
細い枝などは、太い枝の隙間に挟み込むようにして絡めて、固定しにくい枝があれば、多少は切り落としても生育には問題ありません。
株元からシュートが生えてきたときは、シュートに栄養分がいきわたると花付きが悪くなるので、根本で切り取ればよいですが、樹形を整えたいときは必ずしもシュートを切り落とす必要はありません。