「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」ということわざは、桜は枝を切るな、梅は枝を切ってやれということを端的に教えるものですが、梅の木は切らないと、木がどんどん大きくなるばかりで、害虫も発生しやすくなったりして、実梅の収穫に悪い影響を与えることになります。
実梅を収穫しない場合で、花を愛でるだけの場合にも悪い影響を与えるので、適切なやり方で、時期に剪定をしてやることが大切です。
梅の木の手入れの時期はいつがいい
通常、梅の木に手入れをするのは、9月~1月頃が適しています。梅の実を収穫するときに、一緒に枝を切れば二度手間とならないので具合がいいのですが、6月から8月はまだ葉がついており、休眠状態ではないので、樹勢が弱まってしまうからです。もし、木をコンパクトにしたいとという意図であれば、休眠期に剪定をしたほうがいいでしょう。
木を切る目的は、余計な枝を落として、日当りと風通しを良くすることにあります。樹形を考えながら、樹木全体の日当りと風通しを意識して、切って行きます。枝ぶりがもったいないなどと思うと、思い切った作業ができませんので、むしろ思い切って切り落とすくらいがちょうどいいのです。
特に、枝の途中できると、枝の勢いが増し過ぎる結果を招くので、元から切断することが大切です。また、内側に伸びている枝は、将来邪魔になるものですから、特に取り除くことです。
実梅の木は収穫しやすいように低く仕立てる
もう一つの注意点ですが、実梅は梅の実を収穫するときに労力が必要になるので、できるだけ作業しやすいように、できれば脚立なしでも収穫できるような枝ぶりに仕上げるのがいいのです。
形の良い梅の実は、枝の真ん中付近や短い枝に結実するので、長く伸びた枝も切り取り、全体に栄養分がまわるようにして、切り落とすと良いとされています。
梅の木のどこを切るの
枝の芽のことですが、幹側にあるのが内芽で、反対側にあるのが外芽と言われています。この外芽の少し上できるのが普通です。内芽のところできると、徒長枝が出やすいからです。
いろいろなことがあって、たかが梅の枝の剪定ですが、慣れてくるまでには大変です。何年かチャレンジすると、理屈でなく、感覚が備わってくるので、余計なことを考えなくても、自然と身体や手が動き、理にかなった剪定ができるようになります。
切る時期も本当はそれほどこだわらなくても大きな影響はありません。
むしろ、思い切って切るということと、日当りと風通しということを念頭に置き、樹木そのものの背はある程度の高さで押さえるということを意識していれば、ほぼ大丈夫ということが言えます。