果樹は育て方が難しく、手入れも大変なイメージがありますが、冬の風物詩でもあるみかんは、果樹の中でも育てやすい植物です。
とは言え、野菜のように、植えつけた年から実が成るというわけではありません。
開花・結実まで数年かかるので、みかんの木がいつまでも大きくならない…と不安になる前に、みかんの木を大きくコツについてお届けします。
みかんは何年で成木になる?
みかんは樹齢5年程で成木となります。
しっかりした実が成り始めるのも、5年目以降になりますが、十分な収量が成るまでそこから数年かかるとも言われています。
一般的にホームセンターなどで流通している苗は、1年生や2年生の苗なので、植えつけてから3~4年は株の充実を第一に育てましょう。
みかんの寿命は一般的に30年から40年と言われています。
一度植えたら、長い間収穫できるというのはみかんを植えるメリットですね!
みかんの木を大きくする方法
みかんの苗を植え付けたら、植えっぱなしではなく、樹齢に合った手入れが必要です。
正しいお手入れで木を大きく育てましょう。
花のつぼみを取る
花や実をつけるには多大なエネルギーを要します。
幼木のころから、付くに任せて花を咲かせていると、木の生育に必要なエネルギーを開花や結実に使ってしまうため、苗木を植えてから3年は花を咲かせないように、つぼみを取り除きましょう。
剪定で大きく育てる
みかんは12月から3月頃休眠し、4月頃に枝を伸ばします。
このとき、不要な枝を残しておくと、養分やエネルギーの使い方が散漫になってしまいます。
花実をつける枝に、養分を集中して行きわたらせるためにも剪定が必要なのです。
剪定の適期は2月から3月です。
みかんの剪定は、樹齢によって変わります。
まず1年目は太い枝を3、4本程度選んで残し、それ以外は根本から切り落としましょう。
残しておいた枝も3分の1程度の長さに切っておきます。
2年~3年目は、主幹を3分の一程度に切り詰めます。
主幹から出た太い枝を3、4本の残して、それ以外の枝は間引きましょう。
4年目ごろから、実が付き始めますが、みかんは隔年結果性といって「成り年」と「不成り年」が交互に繰り返す性質のある植物です。
実数の多かった年の翌年の剪定は、枯れ枝や徒長枝、交差枝などの、不要枝を根元からカットしましょう。
実数の少ない「不成り年」の翌年は、夏~秋に伸びた若い枝を、3分の1程度切り戻す、「切り返し剪定」を行います。
成木となる5年目以降は、基本的には不要枝の間引きがメインです。
前年に実を付けた枝は、翌年に花実が付かないので3分の1程度に切り戻します。
また、前年の秋に伸びた新しい秋枝も花実が期待できないので、根本から切戻しましょう。
秋枝は、断面が三角形で、葉付きが充実しておらず、葉色が薄いので見分けてみて下さい。
育てやすいみかんの品種
みかんはどんどん改良されて「せとか」や「天草」「紅まどんな」など、甘みの強い美味しい品種が増えていますが、今日本で栽培されているだけでも100を超える品種があります。
こういった品種のみかんは、九州や瀬戸内など、適した気候で手間暇かけて育てられているので、自宅の庭で簡単には育てられません。
初めて育てるのにおすすめなのは温州みかんです。
温州みかんの品種の中でも、収穫時期で大きく分けて、4つに分類されています。
この中でも早生・中生のみかんが、栽培が比較的簡単だとされています。
「宮川早生」などは鉢植えでもコンパクトに育てる事ができておすすめです!
晩生のみかんは「成り年」「不成り年」の差が大きいなど、栽培にコツがあるので、ミカン栽培上級者向けと言えます。
みかんは地植えの方が、木が大きくなり収量が増えますが、寒い地域では冬季の保温のため、移動できる鉢植えの方がいい場合もあります。
鉢植えで栽培するときは、根詰まりを予防するため、1年から2年に1度植え替えをしましょう。
鉢植えでもしっかり実が付く木になりますよ!
まとめ
みかんの木は実が成るまでに、木を大きく育てる剪定が必要でした。
みかんは種類が多く、環境にあう品種を選べば、鉢植えでも結実するので、ベランダ菜園にも取り入れてみたいものです。
成り始めるまで時間はかかりますが、収穫を楽しみに大切にお手入れしましょう。