みかんの木に実がならないのはなぜ?原因と対策まとめ

みかんの木

みかんの収穫を期待して、みかんの木を育ててみたのに実がならない…とお悩みではありませんか?

実はみかんの実がならないのには、いくつか原因があるのです。

原因が分かれば、たくさん実をならせる方法も自ずとわかってきます

今回は、みかんの木に実がならない原因と対策について、みかんの木の性質に基づいて解説します。

みかんの実がならないのはまだ成長途中だから

みかんの木は植えてから5年程度はほとんど実が付きません。

木自体の成長に、養分を使い果たして、結実する体力がないためです。

樹齢5年程で実を付け始めることが多いといわれますが、木の成長度合いによって差があります。

概ね5~10年かけて成木になるので、実がならない間は、定期的な剪定で木の成長を促しましょう。

みかんの実が6月頃に落ちてしまう

みかんは花後、小さな実をつけます。

それが小さいまま黄色くなり、6月頃におちる現象があります。

初めてみかんを育てる人にとっては、楽しみにしていた実がたくさん落ちるのはショックだと思いますが、これは「ジューンドロップ」というみかんの木によくある現象です。

この時期、みかんは新枝を伸ばしたり、若葉をどんどん展開させます。

根から取り込む養分や、光合成で得られる養分だけでは、全ての実を大きくしながら木全体を成長させることはできません。

そのため、生理落果をして木の成長や、残った実の生育に養分を回すのです。

肥料や水やりを適切に行っていても起きる、自然現象なので心配しなくても大丈夫ですよ。

みかんの木は剪定しすぎると実がならない

みかんは前年の春までに伸びた枝に花が咲き、結実します。

前年の春枝を間引いたり、短く切り詰めていませんか?

樹齢5年以上のみかんの木の、春前の剪定では、断面が丸い成熟した春枝をしっかりのこして剪定しましょう。

また、結実には多大な養分を必要とします。

大きくなりすぎたからといって、強剪定してしまうと、葉が少なくなって光合成する力が弱まり、結実するエネルギーが貯められなくなるのです。

大きくなったみかんの木を、剪定で小さくするとしても、一度に剪定する量は、木全体の2割程度にとどめておくことをおすすめします。

剪定を全くしないと実付きがわるくなる

みかんは剪定しすぎると実がならなくなると先述しましたが、剪定せずに全ての枝を残しておけばたくさんなるかというとそうとも限りません。

まず、茂りすぎた木は光合成効率が悪くなります。

葉や枝が混み過ぎると影が増えて、光合成できない葉も多くなるのに、光合成できない葉も養分を必要とするため、開花・結実するエネルギーが足りなくなってしまうのです。

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また、風通しの悪い木や、古い枝は病害虫の格好の餌食となります。

病害虫を予防するためにも、適度な剪定は必要です。

剪定するときには、夏枝・秋枝の他に、枯れ枝、木の内側へ伸びた枝、徒長した枝、細い枝、垂れ下がった枝は、根元から切り落としましょう。

もう一点ポイントが、前年に結実した枝です。

前年に成った枝には、翌年は開花・結実しないので、切り戻しておくといいですよ。

去年たくさん実がなったら今年はあまりならない

みかんは隔年結果性といって、「成り年」「不成り年」を1年交代で繰り返す性質のある樹木です。

そのため、たくさん実がなった木は、翌年はあまり実がつきません。

これはみかんの木がもつ「ジベレリン」という植物ホルモンの影響と言われています。

「ジベレリン」が、結実した実の近くに、花芽をつけないようにはたらくことで、前年実がなった枝に翌年実がならないという現象が起こるのです。

前年「成り年」だった木で、翌年も収穫を目指すのであれば、剪定の時期をなるべく遅くします。

つぼみがついてから剪定を行えば、今年実が付かない枝を見分けることができ、実が付く枝を間違って切る心配も減らせるからです。

また、「成り年」に摘果を行うと、隔年結果性を抑える事ができます。

摘果とは、成り過ぎた実をいくつか取り除くことで、残った実を大きくする方法ですが、隔年結果性を抑える摘果は、1つの枝になった実を全て取り除きます。

そうすることで、「ジベレリン」の働きを抑え、翌年その枝に開花・結実させることができます。

摘果時期は、極早生で6月下旬~8月中旬、早生で7月上旬~8月下旬まで、中生では7月上旬~9月上旬までです。

実がならないのは冬越しに問題があるかも

みかんは柑橘類の中でも耐寒性がある種類ですが、一般的に気温-6度程度で寒害が出るとされています。

注意が必要なのは、落葉と枝の冬枯れです。

落葉は、乾燥や凍結で葉が落ちることで、木の5~6割落葉すると、発芽時期が遅れたり、花が付きにくくなったりします。

枝も凍結や乾燥で枯れることがあります。

特に未熟な枝で起こりやすいので、寒冷地では幼木の間は寒冷紗や不織布でカバーしたり、強風の当たらない場所に植える、鉢植えでは軒下に入れるなどの対策をしましょう。

根本のマルチングも乾燥対策になりますよ。

まとめ

みかんの木に実がならない原因は、生育途上、生理落果、剪定の過不足、隔年結果性の性質、冬枯れなど様々な問題がありました。

剪定や摘果、防寒対策などお手入れで解消できる問題もあります。

こういったことに気をつけながら、美味しいみかんの収穫を目指しましょう!