マツムシソウは別名をスカビオサともいい、マツムシが鳴く季節に咲くことが名前の由来となっています。
花の色や種類も豊富なマツムシソウは、どこで咲いているのでしょうか。
育て方や花言葉なども合わせて、マツムシソウについてまとめてみたいと思います。
マツムシソウの上手な育て方
マツムシソウは秋の季語として俳句でも使われるように、主に秋に開花する花ですが、春咲きのものや四季咲きのものもあります。
開花時期は主に9月~11月と4月~6月で、その時期に合わせて植え付けするのが最適です。
庭に植える場合は、腐葉土や雑肥を混ぜておけばたくさん肥料を与える必要はありません。
育て方ですが、多湿に弱いので水はけをよくすることが重要で、プランター植えの場合は培養土にして、鹿沼土や山砂を混ぜるといいでしょう。
マツムシソウは品種が豊富で、西洋品種のマツムシソウを育てるなら、土はアルカリ性よりにする必要があります。
寒さに強いので冬は心配ありませんが、高温多湿を嫌うため暖かい地域では、夏は日陰の涼しいところに移動させなければいけません。
また背丈が高くなるタイプのマツムシソウは、支柱で固定したりしないと花が咲く前に倒れて折れることがあります。
花が咲き終わったら花殻をこまめに詰むのも、たくさん花を咲かせる秘訣です。
開花の旬が過ぎても、茎を半分くらいにカットすることで、新芽をつけて花を咲かせることもできます。
悲しく切ないマツムシソウの花言葉
マツムシソウの花言葉はいくつかありますが、どれも悲しみや切なさを醸し出しています。
その理由としてマツムシソウの花言葉は、スカビオサと呼ばれる西洋マツムシソウにつけられているからだといわれています。
西洋では紫の花には悲しい花言葉がつけられることが多く、それはギリシャ神話から由来しています。
マツムシソウの未亡人や、私は全てを失ったという花言葉の通りに、西洋ではスカビオサが未亡人の花の象徴になっています。
他にも不幸な恋や、恵まれぬ恋という花言葉もあるので、花言葉にこだわる人への贈り物にはふさわしくないかもしれませんね。
未亡人や悲しみの花嫁という花言葉もあるので、結婚式のお祝いにもするのはやめた方がいいでしょう。
しかしながらマツムシソウには紫以外にも、白やピンクなど豊富な花色があります。
日本では紫は高貴で気品のある色として認識されていますので、特に花言葉にこだわらない人は、悲しい花言葉も気にならないかもしれません。
マツムシソウ群生地は秋口が見頃
園芸用として栽培されているのは西洋マツムシソウであるスカビオサで、日本のマツムシソウは主に山地の草原を好んで群生しています。
北は北海道から南は九州まで幅広く群生して、薬草として使われることもあります。
群生地では8月~9月が最も見頃で、登山を兼ねて観賞する人も多いようです。
自然のマツムシソウは薄紫色で、群生地によってはとても白っぽい薄紫色をしているものや、逆に濃い紫色のマツムシソウもあります。
マツムシソウは日本全国で見ることができますが、どの地域でも数が減ってきているため、国際自然保護連合のレッドリストに入っています。
また日本のそれぞれの地域でも、準絶滅危惧種に指定されています。
マツムシソウの群生地として有名なのは、長野県の車山高原です。
山頂まではリフトがありますが、登山好きの人々のトレッキングコースとしても親しまれています。
マツムシソウの色合いを楽しめるだけでなく、長くなった茎が風になびく姿が秋の訪れを感じさせてくれると評判ですよ。
品種も花色も豊富なマツムシソウ
日本の山地に自生するマツムシソウは、松虫が鳴く秋に咲く薄紫色の花で、2年草で8月~10月に開花します。
日本の固有種だったマツムシソウの突然変異で生まれた品種がタカネマツムシソウで、長さは30㎝くらいで花の大きさは直径5cmくらいです。
主に高山で咲いているのはタカネマツムシソウで、薄紫色の他に稀に白色やピンク色のものもあります。
日本のマツムシソウは山野草店で扱われていることがありますが、普通の花屋さんの店頭ではほとんど見ることがありません。
園芸用として人気があるのは、多年草の西洋マツムシソウです。スカビオサと記されているものは西洋マツムシソウになり、青や赤の他にピンクや白と豊富な花色があるのが特徴です。
地中海沿岸や西アジアを原産とするマツムシソウは、アトロプルプレアと呼ばれています。
コーカサス地方を中心として原産されているのはコーカシアと呼ばれていて、改良品種がたくさんあることで知られています。
珍しいマツムシソウとしては、切り花用で売られている実を観賞するステラータがあります。
園芸用のマツムシソウは高温多湿に弱いため、多年草と記されていても1年草のつもりで育てる方が無難だといわれています。
日本産のマツムシソウを観賞したい方は、ぜひ群生地に足を運ばれることをおすすめします。