松の枝や幹などに白いカビのようなものが付着することがあります。
もしかして、病気なのではと心配になる人もいるかもしれません。
そこで本記事では、松に白いカビのようなものが発生する理由、適切な対処方法などをお伝えしていきます。
松の特徴
松は、日本人にとってなじみの深い樹種です。
お正月に門松を置くことや盆栽を楽しんでいるという方もいることでしょう。
海岸エリアでは、砂風や塩害から街を守るために、松が植えられることもあります。
「松・竹・梅」という言葉があるように、松はおめでたい樹木としても知られています。
松の属性
松は、マツ科の樹木です。
このマツ科には、マツ属、トウヒ属、モミ属、ツガ属、 ヒマラヤスギ属などいろいろな種類があります。
実は、クリスマスツリーとして用いられるモミの木も松の仲間なのです。
松の種類
松には、さまざまな種類があります。
世界中には、200種以上ものマツがあるとも言われています。
日本国内でよく見かけるのは、クロマツ(黒松)、アカマツ(赤松)、ゴヨウマツ(五葉松)、ヒメコマツ(姫子松)などの種類です。
松に発生する白いカビの正体とは?
庭木や盆栽などの松には、白いカビのようなものが発生することがあります。
このまま放置したら、病気になることや枯れてしまうのではと心配になるかもしれません。
この白いもの正体は、苔やカイガラムシ類などの可能性が高いでしょう。
苔
松には、緑色の苔が生えることがよくあり、苔が発生した松は、風情や趣きなどが楽しめるのが魅力です。
中には、松は苔が生えているほうが美しいと感じる人もいるかもしれません。
確かに、苔の生えた松には独特の美しさがありますが、そのまま苔を放置しているとどんどんと増えていくこともあるため注意が必要です。
苔で覆われてしまうと、松が弱って枝が枯れてしまうことあるので気を付けましょう。
松に発生しやすい苔としては、ウメノキゴケがあります。
宇治にある萬福寺の境内に生えていた松に生えていた苔。調べたらウメノキゴケというものらしい。何か言い表しがたい非在の色だ。水色と緑の境界に位置するのだろうか。。 pic.twitter.com/3236eBuooK
— 河津聖恵 (@kiyoekawazu) September 29, 2017
これは、地衣類の一種です。
ウメノキゴケの菌が付着することで、白い苔が発生します。
松が弱っている場合や古い皮に水が溜まっていると、ウメノキゴケの菌が繁殖しやすくなります。
ウメノキゴケが繁殖した松は、見た目が悪いだけでなく、ますます木が弱ってしまうこともありますので、気を付けてください。
カイガラムシ類
松の枝や幹などが白いカビのように見えるのは、カイガラムシ類かもしれません。
黒松植え替え。仕立て直し。
残念ながら、松たちにもカイガラムシが出てた。無念。
そして、なんと言ってもこの鉢、片手で持ってるけど水やり直後で、とんでもなく重たいという事実。#盆栽#黒松 pic.twitter.com/s5rEsPaRE5
— バオバブくん (@zZ0iADoAXs5NxXQ) March 15, 2020
このカイガラムシの大きさは、1~5mm程度と非常に小さくて白色をしているため、カビのように見えることがあるのです。
茶褐色や紫褐色などの種類もあります。
カイガラムシの排せつ物は、すす病の原因となることもあるため、早めの対処が必要です。
松に白いカビのようなものが発生した時の対処方法
もしも、松に白いカビのようなものが付いた時にはどうしたら良いのでしょうか。
ここでは、対処方法をいくつかご紹介します。
ウメノキゴケなどの場合はコケの部分を刃物などで削り落とす
松にウメノキゴケが発生している場合には、その部分を削り落すのがおすすめです。
削り落とす際には、鎌のような刃物を使うと良いでしょう。
苔を削るのは手間がかかる作業でので大きな松の場合には、時間もかかってしまうでしょう。
作業時には、刃物や松の表皮などで怪我をしないように気を付けてください。
※削り落とす際は松の樹皮に損傷を与えないように行いましょう。
高圧洗浄機で松を洗浄する
高圧洗浄機を使って、松に発生した苔を落とす方法もあります。
その際には、お湯は使わないようにしてください。
高温のお湯を松に吹きかけると、ダメージを受けてしまうからです。
また、行う際には松の樹皮に損傷を与えないように行いましょう。
カイガラムシの落とし方はこすってこすって駆除する
カイガラムシの駆除はシンプルで、こすって落として剪定することで駆除できますが、この方法は面倒です。
カイガラムシが出たら、植物を傷つけないように歯ブラシで削り取るように除去します。
硬めの歯ブラシが効果的です。中には葉の間に入り込むものもあるので、見つけたら葉を傷つけないようにしておこないましょう。
地味な作業なので、頑張って行いましょう。
殺菌や消毒をする
菌の繁殖を防ぐためには、殺菌や消毒などの作業も必要です。
おすすめの方法は、薄めたお木酢液を吹きかける方法です。
100倍程度に木酢液を薄めて、スプレーボトルに入れて、松に吹きかけてみると良いでしょう。
消毒剤や殺菌剤を使う場合には、松に合っているものを選んでください。
早く簡単に駆除したい場合は、殺虫剤を使用するのが効果的です。
抵抗力の弱いふ化直後の防除適期(5〜7月)に定期的に薬剤を散布して防除する。
また、マシン油乳剤もカイガラムシの防除に使用することができます。マシン油は散布時期が限られていますので注意してください。
市販の殺虫剤スプレーではフマキラーカダン カイガラムシ用スプレー Kなどが カイガラムシを撃退することに特化した殺虫剤です。

樹木に詳しい人に相談する
松は大きく成長する樹木なので、背丈が高い場合には自力で対処するのが難しいこともあるでしょう。
そんな時には無理をせずに、お近くの植木屋や造園屋などに相談してみるのも一つの方法です。
プロの技術や知恵を頼れば、松がきれいな状態に戻るかもしれません。
松の白カビを防ぐためにすべきこと
松に白いカビのようなものが発生するのを防ぐためには、枝の剪定や病葉の摘み取りなどの管理が必要です。
松が弱ると苔や虫などが付きやすくなります。
樹木活力剤や肥料を時々与えるようにして、松を元気にさせる対処もしておくと良いでしょう。
まとめ
松に発生する白いカビの正体は、苔やカイガラムシ類などの場合があります。
松に発生しやすいのはウメノキゴケです。
苔や虫などが松の幹や枝などに付着すると、松を弱らせてしまうことがあるため、注意が必要です。
カビのように見える部分を削り落とすことや適切な方法で消毒や殺菌を行うと良いでしょう。