薪にむかない木と薪にむく木!薪に使ってはいけない木もある!

庭木の種類・知識

コロナ禍でおうち時間が増えた今、ナチュラルな生活、ヒュッゲな暮らしにあこがれている人も多いですよね。

ゆったりとした時間を過ごすのに打ってつけなのが薪ストーブです。

今、小型で日本の住宅事情に合った薪ストーブや、自宅は難しくてもキャンプで使える薪ストーブや焚火グッズが人気を集めています。

しかし、薪にむく木や薪にむかない木はあるのでしょうか。

薪ストーブと上手く付き合うための、薪にむかない木や薪の選び方について調べてみました!

薪にしてはいけない木

まず、絶対に薪にしてはいけない木があります。

それはキョウチクトウです。

キョウチクトウは枝、葉、花、根、果実の全てに「オレアンドリン」という毒を含んでおり、その枝を燃やした灰にも毒性が残ります。

学校や公園などでもよく見かける、身近な木ですが、キョウチクトウを薪として使うのは厳禁です。

もう一つはウルシです。

樹液に触れるとかぶれることはよく知られていますが、ウルシに含まれる「ウルシオール」という成分は、燃やした煙を吸うことでもアレルギー反応を起こし、呼吸困難になります。

ウルシの仲間である、ハゼノキやヤマハゼヤマウルシも同様に「ウルシオール」を含むので、山で焚き付けの枝を拾う人は、注意しましょう。

ハゼノキに名前が似たナンキンハゼは、ウルシの仲間ではないため薪に用いても大丈夫です。

取り壊した建物の建築廃材を薪として利用する人もいますが、建築廃材には、接着剤で角材や薄い板を接着した集成材や、塗料、コーティング剤などで加工した剤が含まれることがあります。

接着剤やコーティング剤が燃えると煙に有害物質が含まれる可能性があります。

薪ストーブ本体を痛めることもあるので、廃材でも無垢材などを選んで使用しましょう。

薪にむく木と薪にむかない木

ストーブや焚火用として流通する薪には針葉樹と広葉樹があります。

一般的に、クヌギやナラ、ブナ、ケヤキ、サクラといった広葉樹は、木質がしまっていて火持ちがよく、少ない薪で長時間燃焼させることができるため薪に向いているとされます。

灰の量も少なく、灰の処理が楽という利点もあります。

また、ナラやリンゴ、サクラの薪は、燃やしたときの香りがいいということもあって、薪ストーブの薪としてとても人気があります。

一方、スギやヒノキ、マツの仲間、マキの仲間、モミなどの針葉樹は、ヤニを多く含むため、燃やすと煙突内にすすが付着して燃焼効率が下がったり、煙筒火災の原因となると言われています。

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そのヤニの油分のおかげで、火付きがいい点はメリットに上げられますが、木質がやわらかく火の回りが早いため、広葉樹に比べると火持ちが悪く、薪に向かないと言えます。

また、針葉樹の薪は火力が強くなるため、薪ストーブでは熱のコントロールがしにくい点も、針葉樹は薪に向かないとされる理由です。

しかし、この燃えやすさは着火に生かすことができます。

広葉樹は焚き付けを使って着火することが多いですが、この焚き付けに針葉樹の薪が向いているのです。

木質が柔らかく、薪を細く割るのも容易、更に広葉樹の薪に比べて軽量なので、自宅用の薪ストーブだけでなく、アウトドアシーンにも向いています。

更に人気が高い広葉樹の薪が1束500円前後であるのに対して、針葉樹は1束300円前後と手ごろな値段で入手できます。

これは、針葉樹の薪(スギなど)の多くが、間伐材として大量に伐採されていることや、針葉樹の方が乾燥に時間がかからないことが理由です。

針葉樹は広葉樹に比べて、薪に向かないと言われていますが、焚き付けや部屋を早く温めたいときは針葉樹、長時間安定して燃やしたいときには広葉樹と、適材適所で使い分けましょう。

質のいい薪の見分け方

薪選びで一番大切なことは、乾燥です。

広葉樹の薪は火持ちがよく、すすが出にくいと言っても、十分に乾燥していない薪では不完全燃焼が起こり、すすや煙の原因となり、匂いも気になります。

薪ストーブはガラスの蓋があるものが多いですが、水分量が多いと燃やして膨張した水分でガラスが割れたり、ストーブが変形してしまうこともあります。

薪の水分量を正確に確認するには、木材水分計を使って計測します。

木材水分計で測った、薪の含水率が20%以下であれば、十分に乾燥していると言えます。

木材水分計を使わない場合は、色が濃く、断面にヒビが入っていて、手で持ってみると軽い薪がよく乾燥した薪です。

また、乾燥した薪を叩くと高い音が鳴り、乾燥していない薪では音の響きが鈍くなります。

薪を入手して保管している間に、濡れてしまったときは、数日天日干ししましょう。

表面を触った感じで、濡れたり湿気たような感触がなくなれば、薪ストーブに使うことができます。

雨がかかったぐらいでは、芯まで浸み込んでしまうことはないですが、水たまりに浸かった状態で数日たったような薪は、数日天日干しをしても乾燥しきらないかもしれません。

多少の水分があっても、薪として使えないことはないのですが、快適に薪ストーブを使うためにも、薪の保管中の雨対策は必要です。

木によって燃え方が異なる薪を適材適所で使い分けるのも、薪ストーブの楽しみの一つと言えそうです。

質のいい薪を選んで、素敵な薪ストーブや焚火を楽しんでください!