強剪定は樹木の枝葉を整えるためや、生育を促すために行われます。
正しい方法で行えば木の成長を止めることなく、見た目を美しくしていけます。
木を病気や害虫から保護することもできます。
しかし強剪定には樹木ごとに正しい行い方があり、強剪定を行うべき時期や方法が変わってきます。
この記事では、強剪定のやり方を間違えると枯れる場合があるのか、強剪定の正しい方法や覚えておくべき注意点は何なのか調べてみました。
混同しやすい弱剪定と強剪定の違いについても解説します。
強剪定ってどういうこと?
強剪定とは、強めに樹木の枝を剪定していくことです。
樹木のサイズを抑えるために剪定をすることがありますし、生育を促進するために余分な枝や芽を切り落とすことがあります。
一般的に強剪定は、春や冬に木を生長させるために行われます。
樹木の太めの枝を大胆に切ったり、1回の剪定でいくつもの枝や芽を切ったりしていきます。
強剪定とは別に弱剪定という方法があり、混同されることがあるので二つの剪定の違いを理解しておきましょう。
弱剪定とは、樹木の芽を残しながら枝の先だけを切る剪定のことです。
剪定をする目的は樹木に花や実が多く付くようにするためで、サイズを抑えるためや形を整えるためではありません。
弱剪定をする際は木の一部分だけを切っていくので、全体の形が大きく変わることはないです。
枝が混み合っている箇所を整理するために剪定し、長い枝を芽の上の辺りでほんの少しだけ切っていきます。
強剪定で枯れる場合があるのか知りたい
強剪定は正しく行わないと樹木が枯れることがあります。
枝を大胆に切り落としていくため、人間で言えば大きな手術を木が経験するようなものです。
大きな傷口ができるので木にストレスがかかりますし、傷口を回復させるために体力が必要になります。
時期を間違えると木に体力がないので、回復できなかったり切り口から害虫が入ったりして枯れてしまいます。
特に松は枯れるリスクが高いので気をつけてください。
強剪定をした後に松の一部が枯れ始めると、あっという間に木全体が枯れていきます。
剪定をした箇所からマツノザイセンチュウという虫が木の中に入り、マツ材線虫病を発症させてしまうのです。
マツ材線虫病とは木が葉へ水分を送りにくくなる病気です。
強剪定後は、松以外の木も切り口から病気にかかりやすいので注意しなければなりません。
正しく強剪定を行うために覚えておくべき注意点
強剪定には木が枯れるリスクがありますが、形を整えるためには欠かせない作業です。
剪定で木を枯らさないために、覚えておくとよい注意点を見ておきましょう。
大切なのは強剪定をする時期に気をつけることです。
樹木の種類によって強剪定に耐えられる時期と、そうでない時期があります。
例えば、落葉樹は木が冬眠を始める冬が負荷が少なくて強剪定に適していますし、常緑広葉樹は木に一番体力がある春がオススメです。
ほとんどの樹木は暑さと乾燥が厳しい夏場は体力を消耗しているので、強剪定をすると枯れる確率が高くなります。
枯らさない強剪定を行う方法を紹介
正しい強剪定の方法は、新しい枝ではなく古い枝を切り落とすことです。
強剪定では切り戻しという方法を使うようにしてください。
切り戻しの手法とは、剪定をする木の枝や茎の中でも太いものを選んで剪定していく方法です。
太くて古い枝や茎を切り落とすことによって他の新しい枝に栄養が行き渡るようになり、木の生育が促されます。
枝の根元ではなく真ん中を切る場合、新芽のすぐ上の部分を剪定するようにしてください。
切り戻しをすることで枝の間に風がよく通るようになり、病気や害虫から木を保護できます。
さらに枝抜きの手法も行ってみましょう。
枝抜きとは、枝が絡み合っている箇所に注目して不要な枝を剪定することです。
この手法の目的は木の形を整えることなので、剪定をする際は枝を切り落とす度に、全体のバランスをチェックしてください。
枝抜きは枯れた枝や不必要な枝を枝元から切り落としてくので、切り口が小さくぱっと見では分かりません。
木の形を小さくしたい時には、切り返しという強剪定の方法も使ってください。
切り返しは、枝分かれしている箇所の小さな枝だけを切り落とす方法です。
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強剪定後は癒合剤を塗って保護しましょう
強剪定をした後は、切り口から害虫や雑菌が入らないように癒合剤を塗ってください。
切り口が大きくならない枝抜きや切り返しの場合は必要ないかもしれませんが、切り戻しをする時には必要です。
剪定をした後の切り口が大きければ大きいほど回復に時間がかかり、雑菌や害虫が侵入するリスクが高くなります。
癒合剤を塗ることによって切り口が乾燥することを防ぎ、木が早く回復することを助けられます。
使用する癒合剤は酢酸やビニル系、そしてアクリル樹脂系の製品で、ホームセンターで入手できます。
まとめ
強剪定は時期を間違えると木が枯れることがあるので気をつけてください。
枝を切り落とした後の切り口は人間の傷口のように弱くなっており、病気や害虫の被害を受けやすいです。
放っておくと雑菌が侵入し、あっという間に木全体が枯れてしまうことがあります。
強剪定を行う際は、樹木ごとに適した時期に強剪定を行い、できるだけ古い枝を切るようにしてください。
剪定後は、癒合剤を塗って傷口を保護し、回復をサポートしてあげましょう。