クリンソウはサクラソウの仲間で、大きな美しい山野草としてとても人気のある花です。湿り気のある土壌を好み、川辺や湿地に多く自生しています。
丈夫な山野草なので庭で育てている人もいるクリンソウの、育て方のポイントや開花時期などについて説明してみたいと思います。
クリンソウの上手な育て方のポイント
クリンソウは湿気が多い涼しい山地に自生する山野草なので、庭では池の縁などに植えると自然繁殖してくれます。
植え付けに最適なのは2月~3月で、秋にポットで手に入れた場合は9月中旬~10月中旬に植え付けましょう。育て方ですが、根の発達が良く水をたっぷり吸うので、水はけと水持ちの良い土ならどんな土でも構いません。
山野草用の培養土でも大丈夫ですが、乾燥や水切れには十分に注意しないと枯れてしまいます。
根がどんどん増えるので、植え替えはできれば毎年行なって、土の水持ちを良くする必要もあります。涼しくて湿った土が大好きなので、春から夏にかけては、水をたっぷり与えてください。
また冬になって休眠期に入ったからといって水やりを忘れると、乾燥してすぐに萎れてしまいます。冬は夏ほどたくさん水を与える必要はありませんので、鉢植えの場合は受け皿に水をためておいてもいいでしょう。
クリンソウは湿り気を好みますが、夏の高温には非常に弱い花です。また西日も嫌いますので、置き場所には注意しましょう。
肥料は成長期と秋に、2週間に1度液体肥料を薄めて与えてください。
水辺のクリンソウ群生地は絶景
環境の良いところに群生するクリンソウは、背丈が90cmになるものもあります。
2cmほどの花を数段に重ねてスラリと咲く姿はとても美しく、各所の群生地には毎年たくさんの人が訪れています。
クリンソウの最大規模の群生地は兵庫県にあるちくさ湿原で、広大な湿原に大小7箇所の群生地があります。クリンソウの群生の数はなんと40万株で、まさに国内最大級の素晴らしさに見とれてしまうでしょう。
また日光中禅寺湖の千手が浜のクリンソウ群生地も、とても人気があるスポットです。こちらは中禅寺湖畔の中でも秘境のような場所にあるため、船やバスを使ってアクセスします。
水辺に群生するクリンソウは、赤や白にピンクが満遍なく咲き誇っていて、開花時にはカメラマンでいっぱいになるようです。
クリンソウは鹿に食べられてしまうため、鹿よけのネットで保護している群生地もあります。
登山時に愛好家によってクリンソウの群生地が発見されるケースもあり、兵庫県篠山市では6万株の県内最大の群生地が登山グループによって発見されています。
発見者はその素晴らしい群生地を守る会を立ち上げ、訪れる人に保護を呼びかけています。
幸福を重ねる縁起の良い花言葉
クリンソウは茎を中心として花が円状についている姿が、五重塔などの仏閣の屋根の九輪のようであることから名前がつけられました。
花が3段~7段の段状で咲くため、幸福を重ねるという花言葉がつけられたのでしょう。1つ1つの花びらがハート型に見えるところも、幸福の象徴となっているのかもしれません。
この縁起の良い花言葉から、黄色のクリンソウの栽培を始めた人もいるほどです。黄色のクリンソウは珍しい品種ですが、これから徐々に流通するかもしれませんね。
さらにクリンソウには、物思いという花言葉もあります。
可愛らしい花びらを見ていると、ついつい物思いにふけってしますからでしょうか。少年時代の希望という花言葉も、段々に花をつけていくクリンソウの咲き姿にぴったりの言葉です。
また同様に段々と蕾から花を咲かせ形になっていく姿は、物覚えのよさ」いう花言葉にも表現されています。
開花時期を知って楽しもう
クリンソウは3段~7段に段々と花を咲かせていきますが、4段目の花が咲く頃には1段目の花は種となります。よって同時に花が咲くのは、多くて3~4段ということになります。
花を楽しみためには開花時期をしっかりと把握することと、自分の好みの開花状況を知ることが大切です。開花時期は4月~6月となっていますが、群生地によって、見頃はそれぞれ違います。
開花情報はこまめにチェックして、見頃を見逃さないようにしましょう。
一番の見頃の時期は半月ほどに集中するため、人気のスポットはどこも観光客でいっぱいになります。
特に自家用車で行くことができない場所は、アクセスの手段も限られているため注意が必要です。
自家用車が可能な場所でも、おそらく駐車場はすぐに満車になるということも、念頭において向かわなければなりません。
混雑のため想定外に観光に時間がかかってしまうことも十分に考えられますので、余裕を持って計画をたてることも大切です。
クリンソウの開花時期は、天候によって毎年変わりますので、間違わないようにしましょう。
サクラソウよりも大きな花をつけるクリンソウは、愛好家の間でとても愛されている花だということがわかりました。
特に水辺に佇むクリンソウは、チャンスがあれば一度見ておいて損はないというくらいすばらしいと評判です。