コブシ
モクレン
春を感じる白い花木といえば、コブシとモクレンが知られています。枝全体に白い花を咲かせる春の代表な花木で公園、街路樹、庭木などでよく見かける日本人の好きな樹木の一つです。赤紫系の色味の花木もありますが、白く咲く花木は清楚な美しさがあります。
しかしどちらも一見よく似ているため、見分けがつけにくいといわれます。どちらも木蓮科の木蓮属で同じ系統ですが、コブシは日本原産で開花が若干早めでモクレンは中国原産です。よく観察するとまったく違いますので、そのポイントを解説します。
花のようす(コブシ)
花は完全に開花して開き、花が横や上などいろいろな向きに咲きます。花はおよそ4,5センチほどで花びらが6枚あってやや薄く細くなっていて可憐な印象です。さらに花の付け根に、必ず一抹の葉がついている特徴的があります。
花のようす(モクレン)
イメージとしてはチューリップのように半開きになり、上を向いて咲いています。花びらは太陽の光をうけて南側が膨らむため、花さきは北側を差しています。その特徴から磁石の木ともよばれています。
花の大きさは8~10センチほどで、花びらが9枚の厚みのあるふくよかな丸い花びらが特徴です。花の付け根に葉はついていません。
以上のように近くで観察するとけっこう違いがあるので、見分けやすくなります。何度か見極めると、遠目からでもすぐ見分けられるようになります。さらに興味深い豆知識を知るともっと理解しやすくなります。
コブシ
北海道から九州の山地に自生する落葉性の樹木で、高さは大きくなると20mにもなります。病害虫に強く肥料も特に必要がなく、秋には黄葉して丈夫な育てやすい木です。大きくなって育てやすいため、公園のシンボルツリー、庭木などに向いています。
モクレン
人気の白モクレンは落葉広葉樹で、公園などに多く10~20mの高さまで成長します。花は大きな枝いっぱいに一斉に開き、強い香りが特徴です。あっという間に満開になり天候によりますが、3日から1週間ほどで美しさが衰えはじめます。
病気に強く特に天敵の害虫などはありませんが、一部は寒さが弱く剪定には注意が必要です。また花後に緩効性の肥料を与えます。
コブシとモクレンの違いまとめ
このように瓜二つとはいえけっこうな違いがあります。木蓮属には210種類ほどの品種があり、皆それぞれ良い香りを漂わせています。
木蓮属はさくらのように木全体に咲くため目に入りやすい花のため、春になると必ず数本は目にしますので見比べてみましょう。
コブシは北海道ではヒキザクラ、シモザクラともよばれ地域で愛されています。