きんもくせいに害虫発見!害虫の種類と駆除・予防策まとめ

キンモクセイ

どこからか香るきんもくせいの甘い香りに、秋をかんじるという人は多いのではないでしょうか。

小さなオレンジ色の花も可愛くて、育てやすく庭木としても人気のきんもくせいですが、害虫が付くことも!

ご家庭のきんもくせいに虫がついているのを見つけたときや、きんもくせいに異常を発見したときの、害虫の種類ごとの対処法や害虫の予防策についてご紹介します。

きんもくせいにつく害虫・こんな症状に注意!

カイガラムシ

きんもくせいの枝や葉の裏に白い綿毛のようなものや、白や茶褐色の貝のような、小さな粒がついていたら、それはカイガラムシかもしれません。

カイガラムシはカメムシ目に含まれる昆虫で、葉や枝について木の汁を吸います。

見た目に不快なのはもちろん、カイガラムシが養分を含む樹液を吸い取ってしまうことで、生育不良や、枝ごと枯れてしまうこともあります。

また、葉にすすのような黒いカビが発生する「すす病」は、カイガラムシの排泄物にカビが繁殖することが一因です。

対策

成虫になると、固い殻で木に付着して身を守るため、薬剤での駆除が難しくなります。

そのため、卵が孵化する5~7月ごろ、2週間に1度の間隔で薬剤散布(カイガラムシエアゾールやベニカJスプレー)する方法が最も効果的です。

小さな子供やペットに配慮して薬剤の使用を避けたい場合には、ブラシで葉や枝をこすりながら流水で流し落とす方法もあります。

成虫になってから駆除する場合は、カイガラムシが繁殖した枝を切り落とすか、ヘラや固いブラシでこそげ取ります。

ハダニ

葉の裏に白い糸がついている、葉に白くかすれた部分が見られる、新葉が縮れたようになる、新葉が落ちるなどの症状がある場合はハダニが原因です。

ハダニ自体は0.5mmほどととても小さく、見つけにくい虫ですが、葉の裏で繁殖し、汁を吸収することで、葉の葉緑素が抜けて光合成できなくなったり、生育障害の原因にもなります。

対策

ハダニは小さく水に弱いので、水を吹き付けたり流水で流して駆除します。

数が少なければ、葉の裏をふき取ったり、粘着テープではがしとることもできますが、大量繁殖している場合は、薬剤散布(ダニ太郎、ベニカXファインスプレーなど)がおすすめです。

薬剤を使うときは、ハダニやクモの仲間に効果がある薬剤を選びましょう。
ハダニの吸汁被害で枝全体が弱っている場合などは、枝ごと切り落とすこともあります。

マエアカスカシノメイガ

きんもくせいの仲間を好む虫として、代表的なものはマエアカスカシノメイガです。
5~9月に黄緑色の15mm前後の幼虫がみられます。

幼虫はきんもくせいの葉を食害しますが、大量発生することは少ないと言われています。

成虫は白く透け感のある羽を持ち、羽の上部の縁が赤褐色くなっています。

対策

大量発生することは少ないので、幼虫や産卵に来た成虫を見つけたら捕殺か殺虫剤(アースジェットなど)を撒きます。

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黄みを帯びた白い綿毛に包まれた卵を見つけたときは、孵化する前に葉ごと取るか、ブラシなどで取り去っておきましょう。

ヘリグロテントウノミハムシ

テントウムシにそっくりな、黒い背中に赤い点が2つついた虫を見つけたら注意が必要です。ヘリグロテントウノミハムシという、モクセイ科の樹木につきやすい害虫です。

5~7月に乳白色の2~5mmほどの幼虫が葉に潜り込んで食害します。

葉に白くすじ状や斑点状の虫食いや、葉が爛れたようになることがあります。

成虫はテントウムシによく似ていますが、テントウムシはアブラムシの天敵となる益虫ですが、ヘリグロテントウノミハムシは、成虫も葉を食害するので駆除した方がいいでしょう。

対策

幼虫はスプレー型(ベニカXファインスプレーなど)の殺虫剤が効きますが、成虫はジャンプ力が高く小さな刺激で逃げてしまうので、土に混ぜる浸透性の殺虫剤(オルトランなど)がおすすめです。

成虫は落ち葉の中で越冬するので、落ち葉を掃除して近づかないようにしておきましょう。

イラガ

葉に白く透けたような虫食の跡があるときは、イラガの幼虫がついていることがあります。

イラガの幼虫は、体長15~20mmほどで、黄緑に褐色の模様、たくさんの棘が付いた突起がついています。

棘には毒があり、触れると激しい痛みやかゆみ、皮膚炎を起こすため、注意が必要です。

対策

触れると危険なので、イラガのついた木に触れるときは、ゴム手袋をつけましょう。

イラガの幼虫は、スプレー型(ベニカJスプレーなど)殺虫剤が効果的です。

冬場には、枝に卵型の繭をつけるので、発見したときは枝ごと切っておきます。

アザミウマ

きんもくせいの花や葉に、アブラムシよりも細長い、体長1~2mmの黄色から褐色の虫がいたら、それはアザミウマ(別名 スリップス)です。

花が茶色く変色する、つぼみのままで開花しない、葉に茶色い斑点がたくさんできているときは、アザミウマの吸汁害の影響かもしれません。

高温多湿を好み、夏の間に大量繁殖することがあります。

果樹や野菜に被害を及ぼすウイルスを媒介することがあるので、他の庭木や家庭菜園に被害が出る前に駆除しましょう。

対策

開花後の花がらに発生することが多いので、こまめに花がらを取りましょう。

土壌に混ぜ込んだり、水に混ぜて使う、浸透性の殺虫剤(オルトランなど)で長期間かけて駆除します。

きんもくせいの害虫予防方法

他の植物と同じく、風通しを良くしておくことが第一です。

きんもくせいの剪定は、花後~翌年の4月ごろが適していますが、剪定が原因で株全体が弱ることがあるので、枝を梳いて樹形を整える程度に留めておきましょう。

秋から冬の期間は、越冬する成虫を寄せ付けないように落ち葉掃除が欠かせません。

新芽の時期が一番害虫の食害が多いので、春前に浸透性の殺虫剤(オルトランなど)を施しておくと、害虫の繁殖を大幅に抑えることができます。

日本の気候に適していて、育てやすいきんもくせいですが、更に花や香りをたのしめるように、こまめな害虫対策をしてみましょう!