カラタネオガタマは、中国が原産のモクレン科の植物です。バナナのような香りがするので、バナナツリーと呼ばれることもあります。
直径2センチメートルほどの細い紅色の縁取りのかわいらしい花をつけ、あたたかい地方向けのシンボルツリーです。縁起の良い木とも言われ、神霊を招く木として神前にお供えした樹木であることから、神社や境内で栽培されることもあります。名前の由来は招霊が由来とされています。
日本の気候にもよく合い、和風の庭園だけでなく、洋風の庭園にもよく似合います。カラタネオガタマは春になると木全体に明るい花を咲かせ、夏になると涼しい葉影をつくるので、ガーデニングが好きな人からは、注目を集めている植物と言えます。
カラタネオガタマの植える時期と場所
植える時期としては、梅雨入りから11月ごろからまでの間に行います。適切な時期は五月から六月ごろと言えるでしょう。
水はけのよい肥沃な土壌に植えましょう。冬の北風を嫌いますが、関東以南の地域であれば、植え付けを行っても寒さの問題はないでしょう。日当たりを好みますが2から3時間ほど日光が当たれば大丈夫です。
日当たりが悪いと花のつきや葉の色が悪くなるので、十分注意しましょう。水やりは土が乾いたらたっぷりと与えます。直接地面に植え付ける場合には、よほど乾いた時だけ水やりをすればよいでしょう。
カラタネオガタマの肥料
肥料は2月ごろに、油かすと堆肥を株の周りに埋め込みます。病害虫はほとんど見られない樹木ですが、もしも病気の症状や害虫が見られた場合には、それに適した薬剤を使用するようにしましょう。
カラタネオガタマの剪定について
カラタネオガタマの剪定時期としては、基本的には通年剪定を行うことができる樹木です。しかし秋ごろに花芽をつけ始めるので、夏までに剪定をしておくとよいでしょう。
剪定に適した時期としては、開花後から8月下旬ごろがよいでしょう。刈り込んで仕立てる場合には、円錐形になるように苅り込みばさみを使って表面を整えます。その際、葉が付いていない枝は枯れやすく、見た目の美しさもよくないので、分岐している部分で切り取ってしまいましょう。
もしも自然樹形に育てたい場合には、ほかの木々と同じように、絡んだ枝や並行に生えている枝、長すぎる枝などを切除するだけでも、すっきりとした雰囲気に仕上がります。
どちらかというと生長の遅い植物なので、強く剪定するのではなく、風通しのことを考えて、整える程度にとどめておいた方がよいでしょう。庭木としては初心者向きであるため、ぜひ挑戦してみると良いでしょう。