秋の果物として知られている柿は、ご自宅でも栽培しやすい果物ではないでしょうか。
ぷっくりと熟した柿は美味しく、それがご自宅で育てる楽しみでもあります。
とはいえ美味しい柿を収穫するためには柿の木を上手に維持することが大事で、特に剪定に関してはきちんと作業しなければなりません。
今回は大きくなりすぎた柿の木を小さくしたい時に、どのように剪定すればよいのか、剪定方法をご紹介します。
柿の木の基本情報
正しい剪定方法を知っておくために重要なのが、柿の木に関する基本知識を身につけることです。
一般的に育てやすいとされている柿の木ではありますが、まずは柿の木の特徴を理解し、育てる際に役立てましょう。
柿の木は生育速度が速い
柿の木は非常に成長スピードが速く、剪定することなく放置していると、あっという間に大きくなります。
成長の際の特徴としては他の木と同様に、基本的には太陽に向かって真っすぐ上へと成長していきます。
しかしながら柿の木は単に上へと延びていくだけではなく、横方向へも成長していく木です。
そのため剪定をしなければボリュームが膨らみ、他の家や歩道などに伸びてしまうくらい大きく育ってしまうケースも目立ちます。
柿の木は1年間に15センチほど成長すると言われているため、1年間放置しただけでもお手入れが大変になってきます。
また柿の木の場合、下の方に生えた日光にあたらない木は枯死してしまうのも、特徴の一つです。
そのため上の方にある木はどんどん成長していく一方で、下の木は枯死するという現象が見られます。
柿の木の剪定が必要な理由
大きくなりすぎた柿の木は小さくする必要がありますが、それは一体なぜでしょうか?
柿の木を剪定しなければならない主な理由は次の2つになりますので、ご紹介します。
木の形を整えるため
上述のように柿の木は生育速度が速いため、放置しているとあっという間に広がります。
広がってしまいますと自宅からはみ出してしまう恐れもありますし、上に伸びていくと管理が大変になります。
また下にある木は太陽光が当たらず枯死してしまうため、間引きをする必要性も出てきます。
このように木の形を整え管理をしやすくするために、剪定する必要があるのです。
大きく美味しい実を育てるため
剪定をしないとさまざまな枝に実を付けてしまうため、一つ一つの実に充分な栄養が届きません。
そのため枝を剪定して、実らせる果実の量を調整する必要性があります。
きちんと剪定して果実の量を減らすことで、甘くて美味しい実が出来上がる訳です。
柿の木を剪定するときのポイント
柿の木を小さくしたくても、どの木でも剪定してしまってOKという訳では決してありません。
大事なのは、必要な枝はしっかりと残しておくために、きちんと枝を見極めることです。
柿の木を剪定する際の具体的なポイントについて解説します。
樹形を考えながら切る
ポイントとしてはどの枝に美味しい実ができるか、よく考えながら切ることです。
小さくしたい場合でも幼木を剪定しすぎてしまうと、将来の花芽が育たなくなってしまうため、バランスを考えることが重要になります。
ただしある程度は切らないと全体的に日光を当てることができないため、やはりほどよく剪定するように心がけることがポイントです。
剪定は垂直におこなう
柿の枝を剪定する際に、ハサミが斜めにならないようにするのがポイントです。
垂直に切らないとそこから痛みが生じてきますので、真っすぐに切りましょう。
また害虫がつかないようにするために、切り口には癒合剤を塗りましょう。
柿の木を剪定する時期は冬がベスト
柿の木の剪定は小さくしたいからといって、気になった時にいつでも行ってよいわけではなく、時期も考えなくてはなりません。
ベストとされている時期は、収穫を終えて葉っぱが落ちた後の冬です。
葉っぱがなくなった枝ですと見通しも良く剪定しやすいですし、冬は木の生育もストップしています。
そのため剪定をおこなっても木の生育を妨げることがないため、この次期に翌年の生育を見越して剪定をおこなうのがおすすめです。
とはいえ6月頃になると葉が生えそろい、密集してしまうため、この時期に再度剪定をおこなっても大丈夫です。
密集してしまうと栄養が分散されてしまうため、気になるようなら剪定してしまいましょう。
まとめ
柿の木は生育速度が速いため、毎年きちんと剪定をおこなうことが基本です。
大きくなりすぎてしまった際には剪定して小さくしてあげることが大事ですが、時期としては冬の間におこなうのが望ましいでしょう。
またむやみに切るのではなく、将来的な樹形を予測しながら、必要な箇所は残し不要なところを切るように心がけるのが重要です。
もう一つポイントとしては、剪定する際には枝に対して垂直になるように切り、斜めにはカットしないようにしましょう。
きちんと剪定してあげることで、一つ一つの実に充分な栄養が行き渡り、秋には甘く美味しい実が収穫できます。