柿と言えば、秋の代表的なフルーツのひとつ。庭に柿の木があるという方や、ご近所からよくいただくという方も多いのではないでしょうか?
柿は古くから日本で栽培されてきた果物で、ビタミンCやカロテン、食物繊維が豊富です。ビタミンCは、なんとミカンやイヨカンなどかんきつ類の約2倍も含まれています。そんな健康や美容によい柿ですが、残念なことに「うちの柿は渋柿だから食べられない」という話もよく聞きます。
柿はタンニンという物質を抜けば甘くなる
柿と一口に言っても、スーパーで売っているような甘柿と、渋みがあって食べられない渋柿の2種類があります。
実はもともと柿には渋い味の「渋柿」しか存在しなかったのですが、熟すととても甘くなる突然変異の柿が発見されました。
スーパーなどで売っている品種の柿は、こうした「甘柿」を接ぎ木などで品種改良したものなんです。
でも、渋柿もうまく熟すことができれば甘柿に変身させることができます。渋みのもとは「タンニン」という物質で、それを抜くことができれば甘くなるというわけです。
ご家庭でも簡単にできますので、試してみてくださいね。
柿をアルコールで渋抜きするという方法
まず、柿をやわらかい布やキッチンペーパーでよく拭いてきれいにします。
次に柿のヘタの部分を、焼酎やブランデーなどアルコールに2、3秒つけて、大きめのビニール袋の中に並べていきます。
柿に全部アルコールをつけたら、ビニール袋の空気をよく抜いて口を縛り輪ゴムでとめます。
そのまま冷暗所に保存しておきます。小さい柿だと10日くらい、通常の大きさだと2週間くらいで渋みが抜けるようなのです。ヘタの色が緑色から茶色に変わるので、それを目安に確認してみてください。
長く保存することになりますので、傷があったり、熟しすぎているものは避けましょう。渋柿は少し硬めの時に、早めに収穫する方が渋抜きに適しています。
昔から知られている干し柿にするという方法
また、昔から渋みを抜くテクニックとして知られているのが、干し柿にするという方法です。
干し柿を作るにはヘタを残し、皮を全部むきます。柿のヘタに紐を結び、沸騰したお湯に柿を5秒くらいつけます。柿全体に焼酎をまぶし、日当たりがよく、雨があたらない風通しの良い屋外に干します。干し始めて2週間ほどたつと干し柿が出来上がります。
柿を使ったことわざとして、「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われます。ビタミンやミネラルが豊富なため、昔から医者いらずの万能薬として重宝されてきました。うまく渋みを抜いて、みなさんも味覚の秋を堪能してくださいね。