庭木には落葉樹、常緑樹があります。落葉樹は秋になると葉が落ち始め、冬は枝のみ残るためにほとんどの落葉樹の剪定は冬に行います。
一年を通して葉のある常緑樹は、寒さに弱い為に真冬の剪定を避けて行うのが一般的です。常緑樹でもさまざまな樹木があり、剪定時期は異なります。庭木としておおく植えられている樹木の剪定の時期を抜粋しましたので、剪定を行う際は参考にして下さい。
株立ちが魅力のシマネトリコ
株立ちとは、根元から何本もの幹が分かれて出る種類の樹木です。1本の太い幹を切り、複数の新芽をその切り株から育てる本株立ちや、小さな苗を寄せて植える寄せ株立ちがあります。
シマネトリコは本株立ちの樹木です。細い幹が何本も立つ形は涼しげな印象を与え、小さな葉からは日差しが入りやすい為に、常緑の株立ち樹木として大変人気のある庭木です。生命力が強いために日陰でも育ちます。
ただ、寒さには弱いので、真冬の剪定は避けて下さい。枝の伸びが早いので1月と2月を除けば、随時形を整えるために剪定するのがよいでしょう。また、5月下旬から7月上旬に花を咲かせるために、その時期には切り戻しなどは行わず、必要最小限の剪定にとどめて下さい。
常緑針葉樹のコニファー
松や杉と同じ常緑針葉樹であるコニファーは世界には数万種類あり、その中でも日本の気候に合っているのは200種類と言われています。
種類によってさまざまな形をしており、シュッと立っている立性やグランドカバーに使えるはい性、庭のアクセントとしておすすめの丸形などもあります。コニファーの中には生育が遅く、剪定が少なくて済む種類、例えばシルバースターやブルーアローなどがあります。
たくさんの種類が存在するためにそれぞれの特性にあわせた剪定が必要になります。基本的にコニファーの剪定時期は、3月から4月、または6月から10月がよいとされています。
暑さに弱い為に、真夏に剪定を行うと衰弱してしまいます。7月末から9月上旬は避けて剪定を行ってください。
コニファーの幹は、頂点を決めて詰めればそれ以上は伸びません。しかし、周りの枝は伸びるので、毎年剪定しないと大きくなり、形が崩れます。
そのためにも3月から4月の間に強剪定を行い、長く伸びた枝を切り戻してバランスよく仕立てることが大切です。6月から10月に行う剪定は、のびた新芽の部分を手で摘み取るように剪定を行うのがよいでしょう。
果実も楽しめる?オリーブ
銀葉が魅力のオリーブは洋風の庭を彩ります。異品種の混植によってもたらされる果実は塩漬けなどで楽しめます。
初心者の人には果実を楽しむのは難しいかもしれませんが、樹形だけでも十分に魅力のある庭木です。オリーブは春分の日あたりから一気に成長をはじめます。
木への負担を軽くするために成長前に剪定を行う事が必要です。1月から3月上旬にかけてオリーブの木は冬眠中です。強剪定を行うのに適した時期なので、実をならせたい枝のみ残し、間引きをして樹木を整えます。
また、3月から4月の間には枝の量の調整を行います。この時は強剪定はせずに込み合った部分や不要な枝を切り、間引くように剪定をします。5月から10月にはぐんぐん成長します。切り戻しを行い、樹形を整える時期です。
花をつけたいキンモクセイ
キンモクセイは9月下旬から10月中旬に花を咲かせます。強い香りのあるオレンジ色の小さな花です。香りを楽しむためにも、花を咲かせる剪定が必要です。
花を咲かせるためには花芽が見られる7月以降の剪定は避け、花が終わった10月ごろに軽い剪定を行います。強剪定は新芽が出る前の3月から4月中旬に行ってください。
新芽がでた後の強剪定は枝が成長せず、花を咲かせない枝になる事があります。花の付き具合を気にせずに樹形を整えたい時は、葉が弱くなりやすい冬を除けばいつでも剪定が可能です。剪定をしないと1年で15センチほど枝が伸びるので、崩れてきたら樹形を整えてあげて下さい。
今回は、常緑樹のなかでも庭木によく使用される樹木を選んで剪定時期をお伝えしました。常緑樹といっても剪定時期が異なりますので、トラブル回避のためにも庭に植えられている木の剪定時期を確認し、適切な剪定を行うことが大切です。