ハナズオウは春の時期に可憐な花を咲かせる植物です。全体的な樹高は2メートルから5メートル程度で、横の広がりは2メートル前後で成長します。
家庭で栽培する場合には低木に近い高さですが、野生種の例では10メートルに達することがあります。栽培中には剪定を繰り返すことで、自然樹形の中にも調和が生まれ、周囲の植物との相性も良くなります。
根元から伸びる枝の間引き剪定
ハナズオウを育てる段階では、主幹の周囲から小さな枝が無数に伸びてくるようになります。これを残した状態にしておくと、風通しが悪くなるだけでなく、全体的な樹形も崩れてしまうことがあります。
花が咲くまで放置することも可能ですが、適切な手入れをすることによって、長持ちさせることも可能になります。根元から伸びる枝の剪定をするのは、11月から3月頃が最適です。
ハナズオウ徒長枝の剪定
ハナズオウの枝は複雑な構造になっていて、途中から枝分かれして上に伸びるものがあります。これは徒長枝と呼ばれるもので、そのままの状態にしておくと生育に影響が出てしまいます。根元の枝と同じように、徒長枝も付け根の部分で断ち切ります。
この作業をするだけでも、混み合っている枝がすっきりして、風通しのための空間も確保できます。徒長枝の剪定も落葉する時期に行うのが基本ですから、冬の休眠期間を利用して作業してください。
剪定の際に花芽はきらないで
剪定をする際には、花芽の下から切断することは絶対に避けなければいけません。冬の時期に花芽を切断すれば、春の時期に花が咲かなくなってしまいます。花芽を残しながら、葉芽の上部で切断すれば問題ありません。
花芽は新梢に付くものですが、葉芽は先端部にあるのが特徴です。そのため、新梢の付け根から切ることがなければ大丈夫です。
初心者が行う場合には、大胆に切ることは避けて、葉芽の最上部を切り詰めることも安全な方法です。多少の切り残しがあっても開花しますが、新梢を全て切ってしまえば花が咲かなくなることはよく覚えておいてください。
剪定は冬の時期に樹形を整える
数本の枝を残す樹形にする場合には、3本で統一するとバランスが良くなります。
この場合にも冬の季節に剪定の作業を開始しますが、このときには枯れた枝も取り除いておきます。地面に向かって垂れ下がっている枝は、冬の時期には頻繁に取り除くようにしてください。
明らかに形がおかしい枝がある場合にも切り詰めると、まっすぐな枝が特徴の樹形が完成します。枝を切り詰めてからは寒肥も施しておくと、4月頃には美しい花が満開になります。