銀杏の木(イチョウ)の雄雌の見分け方

庭木の種類・知識

銀杏の木はイチョウ科の落葉高木で、街路樹など街中に植えられているものや山の中に生えているものなどを見かけることが多いです。そんな銀杏の木には実は雄雌が存在していることが知られていて、実を付けるのは雌の木だと言われています。

 

そこで今回は、銀杏の木の雄雌の役割や見分け方について解説していきたいと思います。

銀杏の木の雌雄の役割

一般的な草木は体内に雄雌の役割を担っている器官が入っていますが、銀杏の木は雄株と雌株が分かれている雌雄異株となっています。

 

雄雌どちらもイチョウの花を咲かせますが、受粉した後に銀杏の実を付けるのは雌株の方です。このため雄株の役割は花を咲かせた後に雌株に受粉させることで、雌株は受粉した後に銀杏の実をつけて次の種を育てることだとされています。

 

つまり銀杏の木は雄雌揃っていないと数を増やせないようになっているので、庭木として育てる場合にはどちらか片方を選択して育てるという人が多いです。

 

ちなみに雄雌は近くにないと受粉できないというわけではなく、風に乗って花粉が運ばれるので、ある程度離れていても受粉してしまう可能性はあります。それ以外にも雌株がつける銀杏の実は独特の臭いがあるため、庭木として育てるのであれば雄株がおすすめとなっています。

雌雄の見分け方について

銀杏の木で雄雌を見分ける方法としては、花や葉・種、そして樹形などいくつかのポイントがあります。

 

例えば葉の場合は、銀杏は中心に切れ込みが入っているのでその深さで判断します。雄の場合は切れ込みが深くしっかりとしていますが、雌の場合は切れ込みが浅かったり切れ込んでいないものも多く見受けられるようです。また雌の場合は花が咲いた後に実をつけるので、そこで判断するという方法もあります。

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銀杏の木 葉 雄 雌

また種の段階で見分けられる場合、ポイントとなるのが種の面です。雄の種は2面で構成されていますが、雌の場合は3面で構成されているという特徴を持っています。そして種の中で雌の割合は少ないので、ほかの種と形が違うものがあれば雌と判断できると考えられているのです。

銀杏の木 種 雄 雌

そして樹形での見分け方は、雄は高く伸びようとするのに対して雌は枝を横に広げようと伸びる特徴があります。ただしこの見分け方については確実性は低く、自然の中で育った銀杏の木でのみ判別できるのではないかと言われています。

銀杏の木 樹形 雄 雌

確実銀杏の木 樹形 雄 雌に見分ける方法とは

実は銀杏の木の雄雌の見分け方については、花をつけない限りほとんど判別が難しいと言われています。特に樹形による見分け方は確実性が低いですし、街路樹の場合は電線や標識の邪魔にならないように剪定されています。このため不確かな情報と言われているので、あまりあてにできないという意見が多いです。

 

このため確実に雄雌を見分けるためには、花をつけた段階で選別するのがいいと考えられています。また種の段階から育てるのであれば、そちらで判別する方が精度が高いとも言われています。このような点から、初めて銀杏の木を育てるのであれば花が咲いている状態か種の状態から雄雌を選別するのがおすすめです。

銀杏の木の雌雄に関する注意点

銀杏の木は雄雌が揃って初めて受粉が可能となるのですが、前述したように雄雌が近くになくても風に乗った花粉によって受粉してしまう場合もあります。このため雌株を育てている場合は気づかないうちに受粉して実を付けてしまうケースも多いので、実をつけたくない場合は雄株を選んだ方がいいです。

 

また雄雌は1対の関係になっているというわけでもなく、実は5本の雄株に対して1本の雌株があれば十分だと言われているようです。もしも銀杏の木を複数育てるのであれば、その点も含めてどのように雄雌を選定していくのか考えるのも大切だとされています。

 

特に雌株がつける銀杏の実は臭いが強いので、ご近所トラブルを回避するためにも近隣の住民と話をしておくことが大切です。