葉も実も楽しめる銀杏の木を剪定する方法

落葉樹の剪定

街路樹に植わっていることが多い銀杏の木。病害虫に強く幹が腐ることも滅多にないという丈夫な性質で、春から夏にかけては目に心地よい黄緑、秋には黄金色に輝く葉で多くの人の目を楽しませてくれます。

 

そして秋になる種子は銀杏として食べられるので、庭に植えても色々と楽しめる木です。ここでは、庭に植えたときに剪定をどうするかについて考えてみます。

銀杏の木の性質と注意点

銀杏の木は中国原産で、日本に入ってきたのは明確ではないものの、室町時代ではないかと推測されています。当時より銀杏の種子や葉には薬効があることが認識されており、現代ではイチョウ茶として出回ります。

 

味は玄米茶のように香ばしく、効能は脳障害予防やアトピー性皮膚炎の改善、心筋梗塞予防など、様々です。強い性質を持つ銀杏の木は、恐竜時代以前からあった木だとされているため、「生きた化石」と称されます。

 

銀杏の木は秋に落葉しますが、落葉樹ではなく、特殊な針葉樹に分類されます。そのためか、落葉の仕方が短時間に一斉に落ちるのが特徴です。

 

それに銀杏の木は成長が早いのも特徴です。ですから、庭に植えるときは場所をよく考えてください。根は深いタイプで広がりは中程度なので、家屋からほどほど遠くに植えたほうが安心でしょう。

 

そしてあまり大きくしたくない場合は小まめに剪定しておかないと、あっという間に大きくなって困った状況になってしまう場合があります。

銀杏の木の剪定時期

銀杏の木は目的とする高さを植え付け前に決めておくといいでしょう。自然樹形で育てる場合は、ひこばえや胴吹きを切り落とす程度の剪定でかまいません。

 

なお、整木や剪定適期は、2~3月です。できれば芽吹く春以降は避けてください。段作りにする場合も目的の高さになるまで枝は落とさないほうが良いです。これは枝葉が多いほうが育ちが良いためです。反対にあまり成長させたくない場合は、枝を多めに落とします。

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剪定で注意したいのが、手が届く範囲でちょこちょこと枝先を切るという方法です。こうした場合、枝先から沢山の小枝が出てきて葉が増え、手入れが大変になる可能性があります。また、互いの枝や葉が影を作り、成長を阻害する可能性も出てきます。

おすすめの剪定方法

銀杏の木は、元々寺院に植えられていた位の高い樹木とされています。現代では街路樹や公園の木として多くの公共空間で活用されていますが、時間や予算などの都合からか、ぶつ切りに剪定されている銀杏の木を見かけることがあります。確かに性質が強いため、厳しい剪定方法でも耐えられる樹木ですが、本来その方法を好む性質ではありません。

 

銀杏の木への負担を最小限にするのは、透かし剪定と言われています。透かし剪定とは銀杏の木本来の樹形を生かしたやり方です。

 

枝が込み合った場合は幹元や枝元からすっぱりとカットするのが良く、そうすると元に戻ろうとする木のパワーが高まり成長が早まります。きれいにカットしてあげれば、切り口は樹皮が育って隠れますので心配いりません。

自分で剪定するなら

すっぱり枝を落とす透かし剪定は、気が引けるという人もいるかもしれません。その場合は、込み合った枝や3本同じ方向を向いている枝があったら、中央の1本を切り落とすのを基本に剪定するといいでしょう。これで日照の確保をするのです。

 

それから、幹の方向に向いて育っている枝や、いずれ他の枝に迷惑をかけそうな枝など、不自然な枝もカットします。こうした枝が育ってしまうのは、内側に付いた芽を残して剪定してしまうことが原因です。

 

本来剪定は外芽を付けた枝を残してカットします。正しく剪定し自然樹形に仕立てられた銀杏の木は、その後枝が乱れにくくなり、管理がぐんと楽になります。

 

しかし、剪定は慣れないと難しい作業です。さらに高所での作業なので、銀杏の木が大きく育っている場合は危険が伴います。心配な場合や困った場合は、プロの庭師に相談するといいでしょう。