紫色の可愛らしい花を鈴なりに咲かせるヤブランは、日本各地に自生する大変ポピュラーな植物です。
庭や鉢植えにてガーデニングで育てることもできますが、その中で最も出回っているのが、黄色い縦じまのある斑入りという品種です。斑入りヤブランと通常のヤブランの違いは、花の色や葉で見分けられるのでしょうか。
斑入りのヤブランはどんな特徴で見分けるのか
ヤブランは日本各地で見られる常緑多年草で、藤色の花が穂状に咲く姿が特徴でしょう。耐寒性にも優れ、土の質を選ばず日陰でもよく育つので、園芸にも人気です。
大きさによってヤブラン、ヒメヤブラン、コヤブランの3つに分かれ、園芸用品種になるとさらに20種類近くに細かく分類されます。その中でも、淡黄色の綺麗な筋や縁取りがある品種を斑入りヤブランとして区分けされます。園芸用としては2色使いの斑入りのものが、圧倒的に多く取り扱われています。
花や葉の色は
花の色は自生しているものでよく見かけるのが紫や藤色ですが、他にも白や濃青紫なども多いです。また葉の色は緑色が多いですが、中には斑になっていたり白っぽい黄金色をしているものもあります。
なお斑入りヤブランの品種には以下のような名前のものがあります。
★ゴールデンバンデッド
★モンローホワイト
★ライラック・ビューティ
★オキナ
★ピー・ディー・インゴッド
さらに詳しい特徴を見てみましょう。
ゴールデンバンデッド
ヤブランの仲間の園芸用品種では最もポピュラーです。藤色または濃紫の花が穂状に咲き、通常のヤブランの姿にクリーム色の縞や縁が鮮やかですが、実はほとんど生りません。
モンローホワイト
白い花が稲穂状に生り、葉は緑色です。サマームスカリとも呼ばれて親しまれ、欧米では人気の高い品種です。
ライラック・ビューティ
淡紫色の花と緑葉を持つ品種です。従来のヤブランより花付きが大変よく、また穂も大きく密集して育つので、観賞用として好まれます。
オキナ
紫の花色で緑の葉、新葉に白い斑点があるのが特徴的で夏以降に緑色になります。
ピー・ディー・インゴッド
ヤブランの中でも、黄金色の明るい葉を持っている少し珍しい品種です。
ヤブランの育て方のコツと用途
丈夫で耐寒性の強いヤブランは大変育てやすく、園芸初心者でも簡単に栽培できるのでとても人気があります。真夏と真冬を覗けば一年中植え付けが可能で、盛夏の8月くらいから花を咲かせ、秋口の11月くらいになると実が生り始めます。また日向でも日陰でも成長し、庭植えの場合では水やりや肥料あげもほとんど必要ないので大変楽です。
常緑で年間通じて葉色が変わらないためシャドーガーデンとして木の下草やグランドカラーとして植えたり、きれいな花の部分は和洋どちらにもマッチするので鑑賞にも人気が高いです。また花色を紫、白、ピンクと混ぜて配色するとさらに華やぐでしょう。
ヤブランの面白マメ知識
最後に、ヤブランにまつわるちょっとした豆知識を紹介しましょう。
ヤブランの花言葉とは
ヤブランには隠された心、謙虚、忍耐という花言葉があります。木や草の陰にひっそりと佇む姿から由来しています。決して目立つわけではありませんが、木や花を引き立てる存在としては欠かせない、まさに縁の下の力持ちのような美しさがあります。
ヤブランとランの関係とは
ヤブランにはランとついていますが、ラン科の植物とは全く異なります。細長く連なった姿が中国語の欄のように見えるのが由来という説があります。
別名のリリオペについて
ヤブランには別名としてリリオペという呼び方で園芸愛好者の間で親しまれています。ギリシャ神話の泉の妖精の名前にちなんだと言われています。
丈夫で育てやすくしっとりとした美しさを持つヤブラン、園芸用に多い斑入り品種は花の持つ美しさのアクセントとして際立っています。
種類も豊富なので、お気に入りの一品を見つけて、ぜひ一度育ててみてはいかがでしょうか。