台杉はもともと天井や軒先の垂木として使用される杖のような細い木を生産することを目的に日本では室町時代に京都が発祥となりました。
独特の自然環境で育てられた台杉は生命力が強く、その手入れの方法には気を使いますがその分それぞれに違った表情が楽しめて個性的な美しさを保ちます。
現在は庭木として庭園などで育てられることが多く、その場合には荒木台杉と呼ばれる苗木から10年以上育てたもにを掘り起こして移植されたもので植え替えを繰り返すことで木枯れを防ぐメリットがあります。
一本の幹から3~5本の立ち木がまっすぐ伸び枝を払いながら樹冠と呼ばれる穂先は余分な枝が払われた美しいシルエットを作ります。
台杉の育て方は
台杉は水はけのよい土壌で植え込み穴を大きくとってから植え込みをし、最初の年は晴天時には欠かさずにバケツに1杯分くらいの水をやりしっかり根付かせ、同時に台と呼ばれる取り木を手のひらを広げたようにしっかり育てます。
この取り木の部分は全体の容姿を保つためには特に重要で次々と垂木となる立ち木を育てますので、全体によく日が当たるように気を使い、余分な枝は払うようにします。また立ち木は取り木の中心から伸ばすように手入れをすることも大切です。
台杉の剪定の仕方は
伸び始めた立ち木は穂先以外の枝も残しながら成長を促してゆき、全体のバランスを見ながら伸びすぎたものは適当な高さのところで切除し全体の本数は幹周り50cmの木で立ち木は3~5本くらいが適当です。また立ち木の枝払いには鎌を使い、刈り取る枝を付け根から抉るように払います。
台杉の剪定は穂先、立ち木などは主に枝払いなどでシルエットを乱さないように適宜行うようにしますが、立ち木を再生させる部分にもなる取り木の剪定には剪定ばさみや鎌などを使って取り木の先の葺き芽をできるだけ切除し、特に重要なことは取り木の先端の目を伸ばした立ち木にしないことです。
台杉の剪定時期はいつ
剪定はあくまで、芽を葺いている小さな小枝を切除するだけにとどめその時期としてはまだ暖かさが残る10月下旬くらいが適当で、それ以上寒い時期になると木自体を弱らせてしまうことがあります。
また、年1回寒の厳しい1月~2月に寒肥として施肥を行い、季節に関係なく年1回~2回に害虫などの被害から守るために薬剤を散布することも大切なことです。
和風・洋風の庭園にも幅広く景観に溶け込みまた、実がならないので春先のスギ花粉に悩まされることがないため、アレルギー体質の人でも身近に観賞できて安心です。