庭の手入れなどをしているとよく見つかる、三つ葉の植物があります。その形状から「あ、クローバーだ。四つ葉あるかなあ」なんて、探していませんか?
実は、似ている植物にカタバミというものがあります。葉の形はよく似ていますが全く別の植物で性質も異なり、カタバミを放置していると大変なことになる可能性もあります。こちらでは両者の違いについて説明します。
クローバーとは?葉の形はトランプのクラブ
クローバーについては今さら説明されなくても良く知っている、という方も多いかもしれません。
野原でよく見かける、白い花をつける植物です。クローバーの花言葉は幸運や約束で、特に四つ葉は見つかると良いことがあると言われているため、誰しも一度は四つ葉のクローバーを探したことがあるのではないでしょうか?
植物学的にはマメ科シャジクソウ属というものに属する植物の総称をクローバーと呼びます。もともと、明治時代に牧草として輸入された植物で、現在でも牧草としての利用の他、休耕田の雑草除け、畑に生やしてすき込むことで土壌を改良させるなど、様々な利用をされています。
また、クローバーの花は長い期間咲くことから養蜂にも向いており、クローバー蜂蜜は世界中で最も生産されている蜂蜜です。クローバーの形状について詳しく見ていくと、葉の形の1つ1つは丸く、切れ込みなどはありません。それが3枚つながることで、トランプのクラブそっくりの形になります。
また、葉に白い模様が入っている(斑紋)ものが多いのも特徴です。花は小さな細かい花が集まって1つの丸い形を作ります。シロツメクサと言われる白い花がポピュラーですが、紫色のムラサキツメクサもよく見かけます。
カタバミとは?葉の形はハート型
一方で、カタバミはカタバミ科カタバミ属に分類される多年草で、学名ではオキザリスと呼びます。クローバーとは植物学的にも全く異なります。
日本古来の植物で、乾燥して、人に手入れをされている場所に好んで生えます。葉の形の1つ1つは、まさにハート型です。それが3枚集まって1つの形状をなします。
葉が3枚であるということから、見かけると無意識にクローバーと思いがちですが、葉の形の違いは歴然としています。また、5月から7月の間に黄色の花をつけます。この花も、色だけではなく形状が全く異なります。
花びら5枚が丸く広がってついており、シロツメクサとの見分けも容易です。花言葉は喜びや、輝く心ですが、子孫繁栄の意味もあります。その理由はカタバミの繁殖力にあります。とにかく繁殖力が旺盛で、茎は地面を這うように伸び、さらにその茎から根を伸ばすこともあります。
また、種をつけると弾けて遠くまで飛ばし、その先で更に繁殖します。そうした性質と、根を地中深くまで伸ばすために、一度生えてしまうと根絶はなかなか困難です。
増えると他の大切な植物の栄養まで奪って枯らしてしまうことがありますので、生えているのを見つけ次第、放置せずにすぐに根っこから抜く方が、綺麗な庭を維持したい場合には無難です。
クローバーとカタバミは全く違う!カタバミだったら対策必須!?
ここまでクローバーとカタバミの違いについて述べてきました。クローバーとカタバミは植物学的にも性質的にも全く異なり、クローバーは野原などでよく見かけますが、カタバミはむしろ人の手が入っているような土地を好んで生える傾向にあります。
また、カタバミの繁殖力は非常に強く、生え始めるとどんどん増えるため、見つけ次第抜くなどの対策を取る方が無難です。
その際の見分け方としては、クローバーの場合は葉の形1枚1枚は丸く、それが3枚集まってトランプのクラブの形になります。
また、葉に白い模様が入っていることが多いのも特徴です。花は小さなものが集まって1つの丸い形を作り、色は白や紫のものが多く見られます。一方で、カタバミは葉の1枚1枚はハート型です。
花は5月から7月頃に主に黄色の花をつけます。何といっても、葉の形の違いは顕著ですので、ここで見分けると間違いはありません。次にどこかで見かけたら注意してみてはいかがでしょうか。