桜の木は、日本人たちの間で古くから愛されている樹木です。
春先になると、ピンク色や白色のきれいな花が咲くことから、お花見の木としても人気があります。
桜の木のそばで写真撮影をすることや飲食などを楽しんだことがあるという方も多いことでしょう。
和歌に登場することや着物のモチーフとなるなど、日本の文化ともゆかりが深い樹木です。
本記事では、そんな桜の木の特徴、種類、主な用途、剪定方法などについてお伝えしていきます。
桜の木の特徴
桜の木は、日本の至るところに植えられています。公園や河川敷や道端などで見かける機会も多いことでしょう。
中には、ご自宅に庭に桜の木があるというケースもあるかもしれません。
私たちの身近にある桜の木ですが、実は「バラ科」だということを知っている人は少ないかもしれません。
属性
桜の木は、バラ科サクラ属サクラ亜属に分類にされる落葉広葉樹です。
英名は、「Cherry blossom」です。
桜の木は海外でも知られていることから、そのまま「Sakura」と表記しても、外国人に通じることがあります。
日本国内だけに自生している樹木だと思われがちですが、実は、中国やアメリカやカナダなどの北半球エリアにも自生しています。
花が咲く時期
桜の開花時期は、品種、地域、気候によっても異なりますが、春頃が一般的です。
沖縄のような温暖な地域では、1月中旬頃から開花して、2月の初旬頃には満開を迎えます。
東京の場合には、例年3月下旬に桜の花が咲き始めます。
日本列島の最北端である北海道は、開花の時期が遅めです。
例年4月中旬頃からがお花見のシーズンとなります。
桜の木の種類
樹皮の見た目的にソメイヨシノ(一番有名なやつ)とかではなく、若いヤマザクラの一種かなって感じですね pic.twitter.com/icjD6wFvYf
— すわこ (@hamanako_) April 10, 2021
桜の木には、いろいろな種類があります。
代表的な品種といったらばソメイヨシノ(染井吉野)でしょう。
そのほかにも、エドヒガンザクラ(江戸彼岸桜)、マメザクラ(豆桜)、ヤマザクラ(山桜)、オオヤマザクラ(大山桜)などといったように、いろいろな種類があります。
変種を含めると100種以上もの桜の木があるとも言われているのです。
ここでは、桜の木の代表的な品種の特徴を簡単にご紹介します。
ソメイヨシノ(染井吉野/Prunus × yedoensis)
ソメイヨシノが満開間近となりました。
ヤマザクラとオオシマザクラはもう少し先のようです。
開花時には葉っぱがないソメイヨシノ、赤い若葉と一緒に咲くヤマザクラ
花とともに緑色の若葉がでるオオシマザクラ
それぞれ特徴があり、見分けるポイントにもなりますよ。#文化園の植物たち#サクラたち pic.twitter.com/hKZWPUUk6V— 井の頭自然文化園[公式] (@InokashiraZoo) March 28, 2022
日本固有の桜として有名なソメイヨシノは、江戸末期から栽培されてきた品種です。
オオシマザクラやエドヒガンなどの品種を自然交配したことで、ソメイヨシノが誕生したとも言われています。
咲き始めは淡紅色をしていますが、万回になるにつれて白に近い薄い色になるのが特徴です。
エドヒガンザクラ(江戸彼岸桜/Prunus pendula)
エドヒガンザクラは、本州・四国・九州の山地で見られる種類で樹高は15~25m、楕円形の葉が特徴花弁は5枚で一重、色は薄紅色~白にソメイヨシノの片親としても有名、寿命は長く日本三大桜と謳われ福島県田村郡三春町の三春滝桜(みはるたきざくら)は樹齢1,000年以上とされて国の天然記念物に指定 pic.twitter.com/oY9vDpMpMm
— 自分 (@dGYsNb8ZdUTUrDO) March 17, 2021
エドヒガンザクラは、名前の通り、春の彼岸頃に花が咲く品種です。
長寿の桜としても知られており、樹齢1000年以上を超える樹木もあります。
山梨県北杜市にある山高神代桜の樹齢は、2000年とも言われており、日本三大桜として多くの人たちに親しまれています。
ヤマザクラ(山桜/Prunus jamasakura)
下千本にある大橋では #ヤマザクラ も開花しました。
ヤマザクラは日本古来の野生種で開花と同時に赤茶けた若葉を出すのが特徴。
吉野山の #桜 の多くはこのヤマザクラになります🌸 pic.twitter.com/vHnQaiObcB— 吉野山最新情報 (@News_Yoshino) March 19, 2021
ヤマザクラは、関東地方や中部地方の山地に自生している品種です。
花の色は、白色や淡紅色などです。
ヤマザクラの木は、加工性に優れた特徴を持つことから、木材としての需要もあります。
オオシマザクラ(大島桜/Cerasus speciosa)
【3/19~4/10事前予約制開園】
風景式庭園などでオオシマザクラがみごろです。
花と一緒に葉が開くのが特徴。白い花と若葉の緑がさわやかです。花や葉には香りもあり、木の周りに甘い香りが漂います。桜餅を包む葉っぱにも使われています。#新宿御苑 #大島桜 #桜 #桜前線2022 #cherryblossom pic.twitter.com/Z8uilAOQKK— 新宿御苑 自然情報 (@SG_info_kyokai) March 30, 2022
野生種のサクラの一種であるオオシマザクラは、伊豆半島や房総半島などで見かけることが多い品種です。
大島のサクラ株は、特別天然記念物に指定されています。
花の色は白色で、ほのかな芳香性があるのが特徴です。
カワヅザクラ(河津桜/Cerasus × kanzakura)
お早うございます!
葉っぱが出て来る前にパチリ📷
カワヅザクラ(河津桜)🌸🌸🌸
花弁がソメイヨシノ(染井吉野)より大きく花期が早いのが特徴🧐
別名 ミナミザクラ(南桜)
学名:Cerasus × kanzakura ‘Kawazu-zakura’
(2/22撮影) pic.twitter.com/1rhe9v3GbP— hiron (@mizhuzxn) February 23, 2023
静岡県伊豆半島・河津町に咲く桜で、花びらの色がとても濃いピンク色をしています。
日本一早く咲く桜として知られ、沖縄でも2月に開花し、約1カ月間咲き続ける。
桜の木の用途
桜の木は、鑑賞用のほかに木材としても用いられています。
緻密な木肌であるため、カットややすり掛けなどの加工、着色などがしやすいのが特徴です。
仕上がりが美しくて、耐久性が高いことから、高級家具材に桜の木が使われることも珍しくありません。
ヤマザクラの樹皮は、茶筒などの細工物や工芸品などにも古くから活用されてきました。
また、桜の木は楽器材としての用途もあり、ギターや笛などの楽器制作に用いられることもあります。
そのほかにも、彫刻材や器具材など、桜の木は幅広い用途で用いられています。
桜の木の剪定
最後に、桜の木のお手入れ方法をお伝えしていきます。
桜の木は、剪定に弱い樹木であるため、あまりに手を加えずに自然樹形にしたほうが良いでしょう。
ただし、病害枝、からみ枝、ふところ枝などのように、明らかに不要な枝が見つかった場合には、できるだけ早い時期に切り落としてください。
桜の剪定に適している時期は11月~12月上旬です。
剪定する際には、分岐している根本を切断します。
根元から10cmを目安にして切り込みを入れてから剪定してください。
まとめ
ここまで、桜の木の特徴、種類、用途などについてお伝えしてきました。
桜の木は、バラ科に属する落葉広葉樹です。
ソメイヨシノ、エドヒガンザクラ、 オオシマザクラなどのように、いろいろな品種があるのが特徴です。
桜の木の木材は、加工性に優れた特徴があり、高級家具や楽器や工芸品などに用いられています。