仏壇に飾る花のことを仏花といいますが、どんな花を供えるのがいいのでしょうか。結論から言えば、仏様やご先祖様への敬愛の念がこもっていれば、どんな花でも良いとされています。
ではどんな花が良くて、どんな花が悪いののでしょうか。
仏花としてむいていない花
しかし、花の匂いが強いものや、とげや毒があるものは避けるべきだとされています。散りやすく、傷みやすい花も避けましょう。
例えば、バラのようにとげがある花は痛みを連想させ仏壇だけでなく、仏事全般に不向きな花とされていますので、気を付けましょう。また、椿やサザンカなどポトリと落ち散りやすい花は死を連想させますので避けましょう。
仏花として好まれる花
仏花として代表的なのが、菊やカーネーション・百合など年間、生産が安定しているものが好まれます。菊に関しては、香りが邪気を払うという意味合いがありますので、好んで供えられます。
いつも同じ花ではありきたりですので、季節の花を飾るのもいいかもしれません。例えば、春はアイリス、キンセンカ、夏はリンドウやケイトウ、秋はキキョウなどが挙げられます。庭で育てた花を飾るのも悪くないでしょう。
仏壇の花の飾り方
飾り方は、本数で言えば、左右とも奇数、3本・5本・7本のように飾るのが良いとされ、榊のようにひし形になるような感じで飾りましょう。
色の選別は5色であれば白・黄・紫・赤・ピンク、3色であれば、白・黄・紫が良いとされます。生花が一般的ですが、交換や手入れを頻繁にしなければならず、費用も掛かりますので、仏様やご先祖様への敬愛の念があれば造花でも良いとされています。
但し、地域によっては造花をタブーとする所もあり、人の家に仏花として持っていく時は注意が必要です。
仏壇の花を飾る意味
最後に、仏花を飾る意味についてふれておきましょう。冒頭でも述べたように、仏様やご先祖様に敬愛の念を込めて仏花を飾るのがその目的です。
今の自分があるのは、ご先祖様のおかげという感謝の気持ちが込められています。新鮮で綺麗な仏花は、仏様やご先祖様を敬うだけでなく、私たちの心も清らかにしてくれます。
それに加えて、生命の儚さを知り、学ぶという意味合いもあります。日常の中で命はいつか終わりが来るという事を私たちは忘れがちですので、その戒めとして仏花を飾るのだという考えがあります。
悲しくも、綺麗で美しい花もいつかは枯れます。供えた花が、毎日毎日少しずつ、しおれて枯れていく様を見る事で限りある命の儚さを知ると同時に、1日1日を感謝しながら生きていくという事を仏花を通して学ぶ事が出来るのです。