アオダモはどんな木?シンボルツリーに選ばれる理由とデメリット

シンボルツリー

アオダモとは

アオダモはモクセイ科トネリコ属の中高木です。

コバノトネリコ、アオタゴの名で流通していることもあります。

北海道から九州にかけての山野に自生していて、日本の気候によく合うことから、街路樹として植えられることも多い樹木です。

滑らかで優しいグレーの樹皮を持つ幹は、まっすぐに伸び、明るい緑の葉や白い花もナチュラルで爽やかな印象のため、玄関前のアプローチや庭のシンボルツリーに人気があります。

アオダモと同じく、庭木として人気のシマトネリコとよく似ていますが、アオダモは晩秋~冬にかけて落葉するのに対して、シマトネリコは常緑で落葉しません。

花を比較すると、アオダモの花は細い花びらがふわふわと咲くのに対して、シマトネリコは花びらがなく、白い粒々の花が咲きます。

アオダモがシンボルツリーにえらばれるのはなぜ?

アオダモが人気なのは、その爽やかな見た目だけが理由ではありません。

山野に自生するアオダモは、樹高が15mほどにまで成長する中高木ですが、多くの場合5m前後に収まる比較的コンパクトな木です。

幹も枝もまっすぐ伸びる性質で、樹形が自然に整いやすいというメリットがあります。

更に、樹木の中では比較的生長がゆっくりなので、シンボルツリーで人気のあるミモザアカシアやシマトネリコに比べると、剪定の頻度が少なくて済みます。

日本中に自生している種類なので、暑さ寒さに強く、病害虫の被害を受けにくい強健な性質も、庭木に選ばれるポイントでしょう。

アオダモは下葉があまりつかないので、玄関や駐車スペースなど、人の移動が多い場所にも向いています。

落葉樹ということで、落ち葉の掃除が面倒という声もありますが、若葉の季節、夏の木漏れ日、秋には紅葉して落ち葉になる…と生命感に満ち溢れていて、小さな庭木でも季節感を満喫できます。

花言葉が「幸福な日々」「未来への憧れ」と幸せな家庭のイメージがあることも、人気の一因かもしれません。

アオダモを植えるデメリット

アオダモを植える一番のデメリットは、落ち葉です。

先述したとおり、アオダモは落葉樹なので晩秋には落葉します。

落ち葉をそのままにしておくと、景観が悪くなるばかりか、越冬する昆虫の住み家になったり、病原菌の温床になることもあり、落ち葉掃除が欠かせません。

アオダモの足元に砂利を敷いたり、家と家の狭いすき間に植えたりすると、落ち葉掃除が大変になってしまうのでご注意ください。

もう一つのデメリットは、成長が遅いため、いつまでもボリュームが出ないことです。

成長が遅いのは、剪定が少ないという意味ではメリットになりますが、道路や隣家からの目隠しに使いたい場合には向いていません。

アオダモが株の下の方に枝葉があまり出ないので、目隠しやボリュームのある姿を希望する場合は、幹が根元から1本だけでている単幹の株よりも、根元から数本の幹が伸びる株立ち樹形のアオダモがおすすめです。

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ただ、株立ちの木は単幹の木より、更に成長が緩やかになる傾向があります。

株立ちのアオダモで高さもほしい場所には、植えつけ時に大き目の木を選ぶ必要があります。

単幹で植える場合にも、あまり小さい木を選ぶと成長に数年を要することがあるので、植えつけ時からイメージする高さのものを選ぶといいですよ。

害虫が少ないアオダモですが、カミキリムシ(テッポウムシ)が付くことがあります。

樹勢が衰えた木や古い木につきやすいので、古い枝や不要な枝を整理して予防しましょう。

木の根元に、おがくずのようなものが落ちていたら、カミキリムシの幼虫の糞の可能性があるので「キンチョールE」などの専用殺虫剤で駆除して下さい。

アオダモの管理

普段の手入れ

日向~半日陰の場所が適しています。

根付いた後は乾燥にも強く、よほど雨不足でなければ雨水だけで育ちますが、植えつけ後1年ほどは、土の表面が乾いていたら水やりが必要です。

成長はゆっくりですが、時間がたつにつれて幹が太くなります。

木の周囲に、宿根草などを植える場合は、しっかりと株間を取って植えつけましょう。

剪定

頻繁な剪定は必要ありませんが、古い枝、不要な枝の間引き剪定は、行ってください。

不要な枝とは、株の根元から生えるひこばえや、枝同士がからんだようになるからみ枝や交差枝、幹の方に向かって生える逆枝などです。

枝が混んで風通しが悪くなっている場所も適宜剪定します。

間引き剪定は、休眠期だけでなく、いつ行っても構いません。

枝先だけ切って短くするのではなく、根元から切ることで、必要な枝に栄養が行きわたるようになります。

植えてから数年たったアオダモは、間引き剪定をしていても、全体的に大きく、枝も太く多くなります。

場所に余裕がある場合はいいですが、スペースの都合がある場合は、ボリュームを抑えて樹形を整える強剪定(骨格剪定)を行います。

強剪定は落葉後の10月~2月の休眠期が適期です。

基本的には幹は切らず、枝を落とすことでボリュームを調節しますが、生育スピードが遅いことを考えて、全体のバランスを見ながら枝を落とし過ぎないこと注意が必要です。

落ち葉や生長スピードが遅いことなど、デメリットはありますが、アオダモは全体的に手がかからない強い木であることが分かりました。

庭木やシンボルツリーを選ぶときには、アオダモも候補に入れてみませんか?