6月に入り本格的な梅雨の時期に突入すると、雨が多く湿気がむんむんとして、不快な気持ちになる人も多いでしょう。
しかしこのような不快な時期に、雨露に濡れながらきれいな花を咲かせているのがアジサイです。ピンクや青、紫、白など様々な色が見られます。
種類によって色が変化するのではなく、同じ株から生えているアジサイでも、色が違っていることもあります。このように花によって違いがみられるのは土の性質と花に含まれる成分によるものです。
なぜ土によって変化するアジサイの花の色
なぜ土によって変化するのかというと、これには金属のアルミニウムが関係しています。アルミニウムは土の中に存在しています。
そして土が酸性の場合にはアルミニウムは溶けやすくなり、土に溶けだすことで根から吸収されやすくなります。アルミニウムと、アジサイに含まれるアントシアニンが結びつき、青になります。
反対に土がアルカリ性や中性の場合には、アルミニウムは溶けにくくなります。土にはアルミニウムが溶け出していないので、根からアルミニウムが吸収されることはありません。これによりピンクになります。
日本の土壌はたいてい弱酸性であるため、青が多くみられます。
アジサイの花の色は根が肝心
同じ株から伸びているのに、枝と枝によって異なるのは、根が関係しています。どのような植物にも同じことが言えますが、植物の根は地中の奥ふかくまで伸び、大きく広がっています。
例えば右に広がっていった根の先にある土が酸性の場合には、アルミニウムをたくさん吸収し、ピンクになるでしょう。
しかし反対側の根が左に広がっていき、その伸びた根の先にある土がアルカリ性だった場合には、アルミニウムが吸収されず、青くなるでしょう。
このように同じ株であったとしても、アルミニウムをたくさん吸収した枝についていると青になり、アルミニウムがあまり吸収されなかった枝についているとピンクになるということです。そして紫の場合もありますが、これは青と赤の中間の状態ということです。
アジサイの花の色白が咲く場合
見たこともある人もいるかもしれませんが白が咲く場合もあります。花の色を決めているものはアジサイに含まれているアントシアニンという成分です。この成分が含まれていない場合には、白になるといわれています。
また色の変化が見られる場合もあります。咲き始めは緑をしていますが、大きくなってくるとピンクや青、紫と美しく見えるようになります。しかし何日かすると、白っぽくなってきます。これはアジサイの成長による変化といえるでしょう。