紫陽花は日本の梅雨の景色になくてはならない植物です。
額紫陽花や山紫陽花といった、古くからある種類に加え、西洋紫陽花のアナベルや、柏葉紫陽花などの品種もブームになっています。
強健な植物ではありますが、鉢植えの管理や置き場所で枯れることもあります。
今回は、紫陽花の鉢植えが枯れる原因と対策についてまとめてみます。
紫陽花の鉢植えが枯れるのは冬だから?
「鉢植えの紫陽花の葉が枯れて、枝だけになった!枯れてしまったかも?」という場合、一番に考えられるのは「落葉期」です。
紫陽花は12月~3月頃までは、休眠期に入ります。
休眠前には葉を落とし、枝だけになるので、初めて育てる方は枯れたように見えるかもしれません。
でも、根が生きていれば春の訪れとともに、新芽が芽吹き、いきいきと葉を展開するので、葉が全くなくても水やりは続けましょう。
冬の間の水やりは、午前中に行うことがポイントです。
午後に水やりをすると、土の中の水分が夜間に凍結して、根を痛めることがあるからです。
休眠しているので、こまめに水をやる必要はありませんが、土の表面が乾いたらたっぷり水をあたえます。
紫陽花の鉢植えが枯れるのは水切れが原因かも
紫陽花は水を好む植物です。
地植えでは、地中の水があるので、真夏や雨の少ない時期以外は水やりをしなくても育ちますが、鉢植えでは蓄えられる水の量が限られているため、水切れを起こしやすいのです。
花茎や葉がだらんと曲がって垂れ下がっていたら、水切れのサインです。
すぐにたっぷりの水をあたえましょう。
水やりをして数時間たっても復活しない時は、鉢底から数センチ上まで水を張って、鉢ごと水に浸け数時間置きます。
水切れを起こした後は、葉が落ちたり、つぼみが開かないまま枯れてしまうことがありますが、その後水切れを起こさないように水やりを続けると、また新しい葉が付くので心配いりません。
水切れをなんども繰り返すときは、根詰まりがないか確認してください。
鉢底から根がはみ出していたり、鉢から出して根が土いっぱいに絡みあっていたら、根詰まりしています。
一回り大きな鉢に鉢増しするか、根を1/3ほど切って元の鉢に植え替えをしましょう。
水やりしているのに紫陽花の鉢植えが枯れるのはなぜ?
毎日朝晩水やりしているのに、紫陽花の葉が黄色くなったり葉が落ちたというときは、根腐れが考えられます。
特に、プラ鉢で育てていて、受け皿に常に水がたまっているという場合は、根腐れの可能性が高いでしょう。
根腐れかどうかを確認するには、鉢から出してみて根の色や状態を見てみて下さい。
土を落としても根が黒く、細いひげ根がなくなって触るとボロボロちぎれてしまうのは根腐れしている状態です。
根腐れしている紫陽花は、鉢に戻してしばらく水やりを控えましょう。
受皿は外して、土の表面が乾いてから水やりをする程度にしておきます。
それでも、葉や花がしおれたままであれば植え替えをおすすめします。
弱った葉と花を切って、腐っている根をはさみや手で切り取ってから新しい土に植え替えます。
土は排水性が良くなるように、専用の培養土や、赤玉土や鹿沼土、ゼオライトを混ぜて使いましょう。
植え替えた後も、土の乾燥状態を良く観察することをおすすめします。
紫陽花の葉先が茶色くなったら日当たりに注意
特に初夏~真夏など陽射しの強い時期に、葉が黄色や茶色くなったり、葉がちりちり縮れてくるのは、葉焼けの可能性が高いです。
元々日本の紫陽花は半日陰を好みます。
アナベルなどの西洋紫陽花は日当たりのいい場所でも育ちますが、夏場の直射日光には弱いのです。
水切れ状態が続いたりして株が弱っているときは、特に葉焼けしやすいため、水切れを起こしたあとや、根詰まり、根腐れで株が弱っているときは、西洋紫陽花でも、鉢植えを日陰で管理しましょう。
開花期になっても花が咲かない!
春になって新葉が展開しているのに、開花期になっても花が咲かないのは、剪定のタイミングが悪かったのかもしれません。
多くの紫陽花は旧枝咲きといって、その年に伸びた枝には花がつかず、翌年になって枝の先に花が咲く性質を持っています。
夏の間に新枝が伸びるので、その年に伸びた枝は切らないでおきましょう。
花後は、先端の花から2,3節下で剪定すると、新しく枝がつき、翌年花を付ける可能性があります。
7月までには剪定は済ませることをおすすめします。
また、大きくなりすぎた紫陽花を強剪定するときは、翌年の花をあきらめるか、切る枝・切らない枝のバランスを取って、数年かけて小さく剪定する方法もあります。
アナベルは新枝咲きなので、花芽が付く4月より前でしたらいつ剪定しても、花が咲きます。
植え替えはいつ行う?
紫陽花の根は成長が早く、根詰まりを起こしやすいので2~3年に一回は植え替えをおすすめします。
植え替え適期は休眠期か、開花期が終わったすぐあとです。
ただ、根詰まりや根腐れで株が弱っている場合は、それ以外の時期でも構いません。
適期以外の植え替えは、株の負担が大きいので直射日光・風当たりが強い場所を避け、明るい日陰で管理します。